宮本から君へ 漫画。 『宮本から君へ』とはなんだったのか、そして「宮本と私」という話 「サラリーマン最終列車」#3

泥臭いサラリーマン漫画!『宮本から君へ』の感想

宮本から君へ 漫画

1992年度の小学館漫画賞(青年漫画一般部門)を受賞した漫画家・新井英樹の連載デビュー作『宮本から君へ』が、1990年生まれの池松壮亮主演作として、テレビドラマシリーズ(2018年/テレビ東京系)に続いて劇場映画となった。 過激な内容ゆえに「映像化は不可能」とされていた原作の後半パートの映画化だけに、強烈なシーンの連続となっている。 役づくりに惜しみなく情熱を注ぐ、演技派俳優の熱い言葉に触れてみてほしい。 僕がちょうど大学を卒業した年でした。 「これ、読んだほうがいいよ」と偶然にも1か月の間に2人の知人から勧められたんです。 小説は好きでよく読むんですが、漫画はあまり読み慣れておらず、『宮本から君へ』も知りませんでした。 でも、2人から同時期に勧められることはそうそうないわけで、「これは何かあるな」と思い、読みました。 小説でも音楽でも、ちょっと驚くような出合いってありますよね。 自分が抱えていたものと物語が発するものが合致した瞬間に、とんでもないところまで連れていかれるような体験。 それが『宮本から君へ』だったんです。 当時の池松さんの心情と重なるものがあった? ひょっとして、自分のために描かれた物語じゃないかと錯覚を覚えたほどです(笑)。 当時の僕のマネージャーは宮本さんという名前だったんですが、「宮本さん、『宮本から君へ』って知ってる?」と尋ねると、宮本さんがすごく驚いたんです。 ちょうど、僕に『宮本から君へ』の映画化のオファーが届いたところだったそうです。 やっぱり、何かあったんだなと。 それからかなり時間は要しましたが、テレビ東京での連続ドラマを経て、ようやく映画が公開されることになったんです。 役づくりは簡単ではなかったと思います。 そうですね。 原作の中の宮本は23歳~25歳くらいで、僕とほぼ同年齢なんですが、僕の周囲にはこんなに暑苦しい人物はいませんでした。 常人離れした宮本になるには、相当な覚悟と小細工も必要になるなと思いました。 人間にはそこまでは踏み込んじゃいけない領域があるわけで、でも宮本になり切るには人間的なところを超越し、動物的な領域にまで行かないとダメだなと感じました。 とくに今回の映画版はそうですね。 だからといって、山ごもりして動物の気持ちになったとか、そういうことをしたわけではありません。 いつもそうなんですが、片想いみたいなところから役づくりは始まるんです。 正直なところ、漫画で描かれた宮本浩そのものには僕はなれない。 あんなに汁、僕は出ません(笑)。 だいたいは役と自分との間に中間的な人物を構築していくような感覚なんです。 でも、今回は宮本との間に距離がありすぎて、大変でした。 でも、宮本に少しでも近づきたい。 宮本には憧れを感じていました。 平成生まれの僕らの世代は、調和を重んじて、周囲に順応して、スマートに生きることを強いられてきたように思うんです。 物心ついたころから、喜怒哀楽の怒を封じられてきたような感覚があります。 でも、そんなものを払拭できるのが、宮本じゃないかと思うんです。 僕もそうだし、もちろん原作者である新井さん、真利子哲也監督、それにプロデューサーや他のスタッフやキャストもそうだったと思うんです。 『宮本から君へ』に関わった人は、みんな宮本に懇願するような想いがあったはずです。 僕にとって、宮本浩はヒーローでした。 「あれ、俺さっき、こいつとすれ違ったよ」「昨日、居酒屋で隣りの席で騒いでいたのはあいつじゃねぇ?」みたいなリアリティーのあるヒーローになれればいいなと思いながら演じました。 実際は特殊なマウスピースをはめての撮影だったんです。 でも、撮影前は本気で歯を抜くことも考えました。 僕が演技を学んだ名優たちは、役のために平気で歯を抜いていますからね。 池松さんも伝説の名優たちに近づきたかった? 近づきたいというか、気分として分かるんです。 決して僕は身を削るタイプの俳優ではないんですが、それでも勝負どころでは何かをしなくちゃいけないみたいな、そういう察知能力はあるんです。 絶対に勝たなくちゃいけない闘いでした。 いつも役を演じるときは自分の何かを捧げるような感覚があるんですが、きっと宮本はそう簡単には許してくれないだろうなぁと。 歯を抜くか、指を何本か折るかしないとダメかなぁ。 そんなことを考えていた時期もありましたね(笑)。 主演俳優として企画、そして現場を引っ張る池松さんの存在は大きかったと思います。 何よりも、原作で描かれた宮本の求心力がハンパなかったんです。 でも、求心力が強すぎたために大変な目に遭う人も出るし、ビジネスライクな考え方で臨もうとすると弾き飛ばされてしまう。 真利子監督とはテレビシリーズから映画の完成まで長い時間を一緒に過ごしましたけど、恐らく5000回くらいは「もう諦めよう」と思うポイントがありました(笑)。 小さいことから大きなことまでいろいろありましたけど、真利子監督とはお互いにどちらかが落ち込んでいるともう一方が励ますことで、ここまで来れたかなと思うんです。 でも、これほどスタッフとキャストの全員が熱くなれた作品は他にはないですよ。 新井さんが描いた宮本の熱がどんどん広まって、その熱さが最後までまったく衰えなかったんです。 蒼井さんは信頼できる方です。 面白い人だし、この作品に対する意気込みも感じられたし、本人は否定するかもしれませんが靖子とリンクするところがすごくある人でした。 女のプライドを持っているし、男のこだわりを察する能力もあり、ハンパなく負けず嫌い(笑)。 そんな女性がいちばん近くに共演者としていてくれたことは大きかった。 宮本は誰にでも噛み付くような男ですが、蒼井さん演じる靖子がガーンと来てくれたお陰で、宮本はさらに怒鳴り返すことができたと思うんです。 でも、その怒鳴り声って本当は宮本が自分自身に怒鳴っている声でもあるんです。 蒼井さんが靖子を演じてくれたことは、宮本を演じる上でとても重要でした。 拓馬と宮本が対決する非常階段シーンは迫力満点でした。 命綱は付けていたと思いますが、かなり危険な撮影だったんじゃないでしょうか。 危険でした。 危険でしたが、『宮本から君へ』を映画化する上で、しかも平成最後の映画を撮るわけで、長い日本映画の歴史がある中で二度とやれないようなことをやりたかったんです。 キャストもスタッフも、みんなが魂の書き置きを残そうとした映画だったと思うんです。 どのシーンも二度とやれないことをやろうということの積み重ねで、その最たるシーンが非常階段の場面でした。 よくもまぁ、マネージャーは止めなかったなと思いますね(笑)。 大変な熱量のある台詞の応酬ですが、撮影はスムーズに進みました? あのシーンは撮影当日まで、どう演じればいいのか分からなかったんです。 原作だと宮本は急に江戸っ子口調になるんですよ(笑)。 しかも、ひとり語りで。 これを実写でやると「違うなぁ」と思われないか心配だったんですが、もう知ったこっちゃねぇ、やっちゃえと(笑)。 それでうまく撮れたのかどうかは自分には分かりません。 でも、目の前に蒼井さん演じる靖子がいてくれたから何とかできたように思います。 靖子は宮本以上に心に苦しいものを抱えていましたから。 僕ひとりでは、あの台詞は出てきませんでした。 ひとりであんなことを叫んでいたら、ただのバカですよ。 蒼井さん演じる靖子がいてくれたからこそのシーンでしたね。 俳優は役をいただかないと何もできません。 作品や役との出会いも、人と人との出会いみたいなものですね。 「なんか、この人のことが好きだなぁ」とか、「この人を他の人にも紹介したいなぁ」とか、そんなふうに出会ったり、繋がっていく感じですね。 俳優も表現者の端くれだとすれば、届けるべき人たちに届ける責任、表現する上での十字架みたいなものを意識して取り組んでいく必要もあると思うんです。 複眼的な視点から作品を見つめた上で、オファーを受けさせてもらうということでしょうか。 それでも、出演作がだいたいどこらへんの人たちに届くかは予想できるので、必要最低限の人たちにきちんと届けば、メジャーかインディーズかはあまり関係ないかなとは思っています。 もちろん、気持ちとしては常にメジャー作品のつもりで演じています(笑)。

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宮本から君へ最終回ネタバレ! 原作漫画はまだまだストーリーが続きます。 ここでは原作漫画のそれぞれのネタバレについて見ていきたいと思います。 「ニチヨン」との競合対決 宮本浩は、尊敬する先輩営業マン・神保和男とともに「ワカムラ文具」の新規案件に意気込んでいく。 しかしライバル「ニチヨン」の営業マン益戸景が手ごわく、マルキタは劣勢に立たされる。 宮本の先輩:神保和夫が独立 神保先輩が会社を辞めて独立すると知り、最後の仕事が花道になるように宮本浩は奔走し、宮本浩にとっても初の大仕事になっていく。 中野靖子と交際 入社2年目。 宮本浩は化粧品メーカーのOL綾部栞と出会う一方で、同僚・中野靖子と間で揺れていく。 明るい性格の綾部栞に惹かれていくが、進展はなかった。 恋愛関係になったのは、心に深い傷を抱える中野靖子のほうだった。 馬淵事件 泉谷建設の馬淵部長に体当たりの営業をしかけ新規顧客の獲得に奔走する宮本浩。 中野靖子との恋も順調だったが、宮本浩が泥酔したその横で、中野靖子がレ〇プされる事件が発生。 犯人は泉谷建設の馬淵部長の息子・拓馬だったが、宮本浩は返り討ちにされ前歯を数本折られる。 レ〇プ被害にあい身も心も傷ついた中野靖子。 さらに追い打ちをかけるように妊娠が発覚。 子供の父親は、元彼氏・裕二か、宮本浩なのか、出産しないとわからない状態。 宮本浩は復讐を誓い、馬淵部長から息子の居場所を聞き出し、いざ対決。 屈強な拓馬に指を折られるなどボコボコにされるが、素手で急所をひねりつぶし一気に形勢逆転。 拓馬を全治2~3ヶ月のボコボコにし謝罪させた。 復讐を果たした宮本浩は中野靖子に再会し、結婚を申し込んだ。 宮本浩は「家族のために金を稼ぐ」という働く目的ができた。 会社命令で上司とともに馬淵部長に謝罪に行き、馬淵部長も謝罪したのだった。 最終回 結婚を決めた宮本浩は、中野靖子を連れて実家へ。 母親は中野靖子の妊娠を見抜き、何の説明もしようとしない息子の態度に悲しむ。 次に、中野靖子の故郷・小樽へ行き、彼女の両親にできちゃった結婚の挨拶。 母と妹は祝福してくれたが、上京するときにこういうマネはしないと約束したのに、選択の余地のない話をいきなり持ってきては筋が通らないと、祝福しなかった。 東京に戻ると、宮本浩は街で偶然、甲田美沙子と再会する。 祐奈は英会話スクールのオーストラリア人の彼氏がいるという。 甲田美沙子自身はというと、復縁した彼氏に昨日またフラれたといい、宮本浩はわざと憎まれ口をきいて別れた。 結末ネタバレ 神保先輩は結婚した嫁との間に生まれた可愛い赤ん坊がいる。 だが神保先輩の会社は、嫁には内緒だがもうすぐ潰れるという。 春、宮本浩が仕事中、中野靖子が自宅アパートで破水した。 陣痛に耐えながら必死になって電話をかけるが、夕べ宮本浩のせいでおぼしたビールのせいで壊れていた。 そのうち子供が出てきはじめ、中野靖子は「宮本!」と叫ぶ。 すると胸騒ぎがした宮本浩が仕事を抜けて自宅に駆け付けた。 救急車を呼ぶが間に合わず、部屋で無理やり出産した。 男の子だった。 エピローグ あれから18年、長男は学費を自分で稼いで東大を目指す秀才になった。 そして宮本家は幸運に恵まれ、LOTO6で1億円をあてて11人を子供をもつ大家族になり、テレビの大家族シリーズにも出演。 1億円は「幸せは半分でいい」という持論から、嫁の靖子の反対を押し切って5000万円を慈善団体に寄付した。 新井さんの連載デビュー作として昭和の人気作として認められた作品になります。 最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。 宮本浩役:池松壮亮 文具メーカー「マルキタ」の新人社員。 未熟で営業スマイルひとつできず、自分が社会で生きていく意味を思い悩んでいる。 田島薫役:柄本時生 宮本の同期でありよい相談相手。 関西弁がトレードマーク。 小田三紀彦役:星田英利 宮本や田島の上司でマルキタ営業部の課長。 甲田美沙子役:華村あすか 自動車メーカー・トヨサンの受付嬢。 宮本が駅のホームで一目ぼれをする。 大芝役:新名基浩 宮本、田島の同期。 とぼけた性格で度々周囲をイラつかせる。 岡 崎部長役:古舘寛治 マルキタ営業部の部長。 宮本が仕事で失敗して説教するも小田に説得され、いつも宮本の尻拭いをする。 安達辰也役:高橋和也 宮本と神保の取引先の文具問屋ハタダの営業マン。 益戸景役:浅香航大 ライバルメーカー・ニチヨンの手ごわい営業マンで、策略家。 手段を選ばず仕事を取りに行く。 宮本と神保の最大のライバル。 島貫康治役:酒井敏也 文具の仲卸業者ワカムラ文具の嫌味な営業部長。 ワカムラからハタダ経由で大手製薬メーカーの案件を宮本らの勤めるマルキタ、益戸の勤めるニチヨンを競わせる。 中野靖子役:蒼井優 神保の友人で一緒に会社を立ち上げる仲間の一人。 飲み会の席で宮本と出会い意気投合する。 神保和夫役:松山ケンイチ 宮本の勤めるマルキタの先輩社員。 人づきあいがうまく営業先でも人気者だが、独立するためマルキタを退職予定で、営業先を宮本に引き継ぐ。 最終回のあらすじ コンペ結果が出る日。 「仕事取れなかったらどないするつもりや」…強気だった宮本(池松壮亮)の心に、小田課長(星田英利)の一言が突き刺さる。 営業から戻ってもまだ連絡はなく、不安にさいなまれる宮本。 神保和夫(松山ケンイチ)、小田課長、岡崎部長(古舘寛治)らも神妙な面持ちだ。 そんな中、宮本の携帯電話に着信が…。 コンペの結果を伝える、安達辰也(高橋和也)からの電話だった。 はたしてコンペの結果は如何に!? 最終回までの見逃し無料動画配信.

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映画『宮本から君へ』 池松壮亮スペシャルインタビュー

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1992年に〈第38回小学館漫画賞 青年一般部門〉を受賞。 同年4月から放送され、第56回ギャラクシー賞テレビ部門「奨励賞」を受賞するなど大きな反響を呼んだ。 日本語Dolby Digital 5. 1ch 2. オーディオコメンタリー Dolby Digital 2. <スタッフ> 原作:新井英樹『宮本から君へ』(百万年書房/太田出版刊) 監督:真利子哲也 脚本:真利子哲也/港岳彦 主題歌:宮本浩次『Do you remember? 』(ユニバーサルシグマ) レコーディングメンバー Vocal:宮本浩次、Guitar:横山健、Bass:Jun Gray、Drums:Jah-Rah <キャスト> 池松壮亮 蒼井優 井浦新 一ノ瀬ワタル 柄本時生 星田英利 古舘寛治 佐藤二朗 ピエール瀧 松山ケンイチ <あらすじ> 文具メーカー「マルキタ」で働く営業マン宮本浩(池松壮亮)は、笑顔がうまくつくれない、気の利いたお世辞も言えない、なのに、人一倍正義感が強い超不器用な人間。 会社の先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間である、自立した女・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちた宮本は、靖子の自宅での食事に呼ばれるが、そこに靖子の元彼・裕二(井浦新)が現れる。 裕二を拒むため、宮本と寝たことを伝える靖子。 怒りで靖子に手を出した裕二に対して、宮本は「この女は俺が守る」と言い放つ。 この事件をきっかけに、心から結ばれた宮本と靖子に、ひとときの幸福の時間が訪れる。 ある日、営業先で気に入られた真淵部長(ピエール瀧)と大野部長(佐藤二朗)に誘われ、靖子を連れて飲み会に参加した宮本は、気合いを入れて日本酒の一升瓶を飲み干し、泥酔してしまう。 見かねた大野が、真淵の息子・拓馬(一ノ瀬ワタル)の車で送らせようと拓馬を呼びつけた。 そこに現れたのは、ラグビーで鍛えあげられた巨漢の怪物だった……! 泥酔する宮本と、宴会を楽しむ靖子、二人の間に、人生最大の試練が立ちはだかる————。 暑苦しくも切ない生き方、そして極限の愛の物語を描く。 CDジャーナル データベースより.

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