ガス 燈 映画。 ガス燈のレビュー・感想・評価

映画『ガス燈』ネタバレあらすじ結末|映画ウォッチ

ガス 燈 映画

8月29日に生誕100年を迎える記念となる今年、5月に開催されたカンヌ国際映画祭の公式ポスターに起用され、今なおアイコンとして世界中の映画ファンに愛され続けている。 生涯で3度のアカデミー賞を受賞したバーグマンが、初のアカデミー賞主演女優賞に輝いたのが『ガス燈』(1944年)だ。 (今祥枝) スウェーデン出身のバーグマンは母国でも名の知られた女優だったが、自身が主演のスウェーデン映画『間奏曲』(1936年)のリメイク『』(1939年)でアメリカ映画初出演を果たし、瞬く間にハリウッドを代表する女優のひとりとなった。 何よりも、知性と誠実さを備えた際立つ美貌に観客が目を奪われたことは想像に難くない。 代表作として最もよく知られているのは、やはり美貌が映えるメロドラマの要素が強い『』(1942年)だろうか。 もちろん、AFI(アメリカ・フィルム・インスティチュート)選定の「映画スターベスト100」の女優部門で堂々の第4位の実力は、圧倒的な説得力をもって観客を物語の世界へ引き込む確固とした演技力に裏打ちされている。 『ガス燈』は、の戯曲の舞台版をもとにした心理サスペンス。 1940年の英国版映画化もあるが、2度目の映画化となった本作が有名だ。 だが、舞台でキャリアを積んだ、確かな実力の持ち主ボワイエと、若き実力派バーグマンの静かな火花が散る演技合戦、とりわけその視線の演技は、密室劇であり心理戦が主題である本作にふさわしく見応えがある。 [PR] 映画は、両親を早くに亡くし、育ての親だった高名な歌手の叔母が何者かに殺されたポーラ(イングリッド・バーグマン)が、霧深いロンドンのソーントン街からイタリア留学に向かう場面から幕を開ける。 事件は未解決だったが、太陽が輝く新天地でポーラは恋に落ち、声楽の勉強をやや唐突に諦めて作曲家(シャルル・ボワイエ)と結婚する。 グレゴリーの希望もあり、再びロンドンの家に戻り新婚生活を始めるが、蜜月はすぐに終わりを告げ、ポーラは家に閉じこもり、人と会わず、鬱々とした日々を送るようになっていく。 きっかけは、叔母のピアノにあった楽譜に挟まれた男性からの手紙を見つけたこと。 聞き覚えのない差出人の名前に狼狽するグレゴリー。 その日から、ポーラは物忘れがひどくなり、盗癖も露見する。 夜になると部屋のガス燈がふっと暗くなる時間帯があり、誰もいないはずの、叔母のステージ衣装などがしまってある屋根裏部屋から奇妙な物音が聞こえると怯えるポーラ。 だが、グレゴリーはポーラの幻覚・幻聴だと言う。 自分は狂気に陥ったのかと、不安が頂点に達するポーラ。 そんな彼女と夫を、ポーラの叔母と交流があった警部()が心配そうな顔で見つめるのだった。 そもそも、冒頭で声楽の先生が「声楽より恋を選ぶ」と報告したポーラに、「恋愛にこそ本当の悲劇がある」と不吉な言葉で送り出す時点で推して知るべし。 この点がサスペンスとしては弱いとする見方もあるが、本作の醍醐味は、まさにグレゴリーとポーラの心理戦、駆け引きにあるのであって、過程が重要なのだ。 これこそが結末を分かった上で何度でも楽しめる、名作サスペンスの必須条件であろう。 グレゴリーは、今で言うところのモラハラ夫だ。 「君は物忘れが多いね」といった些細な刷り込みから始まり、巧妙に仕組んで妻に自分には盗癖があると信じ込ませて、どんどんポーラが自分はダメな人間だ、頭がおかしいのかもしれないと自信を失わせていく。 さらに、若いメイドのナンシー()と意味ありげな会話を交わしてポーラに2人が通じているかのような疑念を植えつけ、外部の人間には妻は具合がよくないなどと言って他人との接触を断ち、孤独の淵に追いやる。 [PR] 実際に、本作(原題『Gaslight』)に由来し、嫌がらせなどで被害者の現実認識能力を狂わせようとする心理的虐待を示す用語として、1970年代以降には「ガスライティング」という言葉が広く認知されるようになったという。 白黒映画の古めかしいサスペンスだと思っている人も、本作の予想以上の現代性に驚くかもしれない。 このねちねちとした粘着質の、グレゴリーのいたぶり方が秀逸。 親切づらをして穏やかに微笑む紳士から、ひとつひとつ計画を実行するたびに、妻を冷ややかな目で睥睨(へいげい)するグレゴリーの視線のバリエーションは、それはもういくら見ても見飽きないほど。 例えば大切なブローチをなくして「確かにここに入れたのに……」と狼狽する妻に寄り添いながら、少し眉を上げてポーラを見下ろす高慢な視線は、この男の何たるかを如実に物語っている。 ちなみに、このあたりのボワイエの演技と表情が、個人的にはを思わせるものがあると思うのだが、どうだろうか。 一方、それを受けたポーラが、徐々に壊れていくさまを体現するバーグマンもまた、細やかな感情を目で伝える演技で観客を釘付けにする。 イタリアでは恋に瞳を輝かせていた乙女が、生気を失い、ぼんやりと空を見つめながら夫にダメの烙印を押されるたびに、伏し目がちになり、時に怯えてすがるように悲痛な視線を他人に向けるも、無力さを痛感して嗚咽する。 そんなポーラがもっとも怯えるのが、タイトルにもなっているガス燈がある時間になると不安定にゆらめき、燈が小さくなって暗くなる瞬間だ。 はっと顔を上げ、ゆらゆらと揺れる燈を見つめる目が大きく見開かれ、恐怖の色が浮かび、狼狽しながら「聞こえるはずのない」不気味な音に耳を傾ける。 まさに、現実と虚構の間を行き来するような、うつろなポーラの心情がダイレクトに伝わってくる表情の豊かさ、目の演技には、食い入るように画面に吸い寄せられてしまう。 [PR] 果たして、グレゴリーの目論見はどのような結果に終わるのか? クライマックスでポーラが見せる強く射るような視線と、グレゴリーの何かに憑かれたような、別次元を見ているかのような歪んだ欲望に満ちた視線は、物語を締めくくるのにふさわしい、ここ一番の見せ場だろう。 監督は、『』(1964)のオスカー監督。 ゆらゆらと揺れるガス燈の明かりや影、ロンドン名物の霧などを効果的に使って、文字通り身も心も屋敷の中に閉じ込められていくポーラが感じる閉塞感、息詰まる感じを上手く演出している。 サスペンスは職人芸的な演出の巧さ、映画の話法が鍵となるがキューカーは、その点においては文句無しの巧者だ。 同時に、俳優、特に女優を輝かせることにおいてはピカイチ。 をブロードウェイからハリウッドに呼び寄せ、成功に導いたのもキューカーだし、本作のバーグマンのほかキューカーの作品でオスカーを受賞した俳優には(『フィラデルフィア物語』(1948))や(『ボーン・イエスタデイ』(1950・日本未公開))らがいる。 また、監督作においてオスカーにノミネートされた俳優は21名に及ぶという。 [PR] 俳優の魅力を遺憾なく引き出す能力に長けたキューカーは、本作ではバーグマンをこれほどまでに美しく撮ることができるのかと感嘆すら覚えるほどの仕事ぶり。 一方で、紳士然としたグレゴリーのソシオパス(反社会的人格障害)としての異常性をはらんだ人物像は、ボワイエの演じた役の中でも出色の出来ばえではないか。 本作は第17回アカデミー賞で、作品賞ほかボワイエの主演男優賞、独特の存在感を醸して良いスパイスになっているメイド役のランズベリーの助演女優賞を含む7部門にノミネートされ、主演女優賞と美術監督賞(白黒)を受賞した。 ポーラの救世主となるキャメロン警部を演じた、『』(1949)などで有名なジョセフ・コットンの誠実で颯爽としたキャラクターも印象に残る。

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ガス燈 (映画)

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の紹介:1944年アメリカ映画。 1940年に制作された同名映画のリメイク作品。 結婚を機に叔母が殺害された家で暮らすことになったポーラ。 彼女は夫から物忘れや窃盗癖を指摘されるようになり、次第に自らの正気を疑うようになる。 精神的に追い詰められていくポーラの恐怖と謎を描いた心理サスペンスの名作。 ポーラ役のイングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した。 監督:ジョージ・キューカー 出演者:シャルル・ボワイエ(グレゴリー・アントン)、イングリッド・バーグマン(ポーラ・アルキスト・アントン)、ジョゼフ・コットン(ブライアン・キャメロン)、アンジェラ・ランズベリー(ナンシー・オリヴァー)、バーバラ・エヴェレスト(エリザベス・トンプキンス)ほか 目次• ガス燈のネタバレあらすじ:殺人事件 舞台は19世紀末のロンドン、ソーントン広場。 人気歌手アリス・アルキストが自宅で遺体となって発見されます。 事件は未解決のまま、アリスに育てられていた姪ポーラは、アリスの友人で声楽教師のグアルディに預けられることになりました。 10年後、アリスそっくりの美しい女性に成長したポーラは、ピアニストのグレゴリー・アントンと恋に落ちます。 以前からロンドンに憧れていたという彼のため、ポーラはずっと避けていたソーントン広場の屋敷に戻ることにします。 結婚し引っ越した当日、ポーラは楽譜に古い手紙が挟んであるのに気付きます。 差出人の名はセルギウス・バウアー。 アリスが殺害される2日前の手紙でした。 すると突然血相を変えて手紙をむしり取ったグレゴリーは、アリスを思い出させる物は全て片付け、屋敷を改装しようと提案します。 ガス燈のネタバレあらすじ:しのび寄る異変 グレゴリーは家に誰かを招くことを極端に嫌がる男でした。 ポーラの神経に障るからだと、料理人エリザベス・トンプキンスやメイドのナンシー・オリヴァーに説明します。 ある日、母の形見のブローチをポーラにプレゼントしたグレゴリー。 2人はそのままロンドン塔へ向かいます。 ところが見学の最中、ブローチが無くなっていることにポーラが気付きます。 宝石に目がないグレゴリーは王冠の宝石に熱心に見入っていました。 ロンドン塔を後にするグレゴリーとポーラ。 その姿を、たまたま居合わせたブライアン・キャメロン警部がじっと見つめていました。 帰宅後ブローチの紛失を知ったグレゴリーは、ポーラの物忘れの酷さを注意します。 戸惑うポーラが自室で過ごしているとガス燈がふいに暗くなり、天井から足音が聞こえ始めます。 ポーラは不安で仕方がありませんでした。 ガス燈のネタバレあらすじ:怪しい行動 ブライアンはアリスの事件を再捜査するため訪れたロンドン警視庁で、彼女が所持していた貴重な宝石が行方不明になっていることを知ります。 ブライアンはウィリアムズという警官を味方につけ、アントン邸を調べ直すことにしました。 ポーラの物忘れと身に覚えのない窃盗癖は日に日に酷くなっていました。 グレゴリーに責められ、ポーラの精神は次第に追い詰められていきます。 そして11月12日、夫妻宛に近所のダルロイ邸から音楽会の招待状が届きました。 家に篭ってばかりで気が滅入っているポーラは、グレゴリーの反対を押し切って出かけようとします。 慌てたグレゴリーが同行したダルロイ邸にはブライアンの姿もありました。 ブライアンに気付いたグレゴリーは時計が無いと言い出し、ポーラのバッグから取り出してみせます。 動揺して泣き出したポーラを連れ帰ったグレゴリーは彼女の失態を責め、仕事のため外出します。 ブライアンはグレゴリーを尾行しますが彼は忽然と姿を消してしまいました。 ウィリアムズからグレゴリーが3時頃袋小路から突然現れたと報告を受けたブライアンは、急遽アントン邸を訪ねることにしました。 ガス燈のネタバレあらすじ:グレゴリーの正体 夜、グレゴリーが外出したのを見計らいやって来たブライアン。 ほとんど押し入るように家の中へ入った彼は、怯えるポーラに「あなたは正気です」と断言します。 ブライアンがかつてアリスのファンだったことを知り警戒を解くポーラ。 ブライアンの尋問により、天井の足音や暗くなるガス燈といった怪現象は全てグレゴリーの留守中のことだと判明します。 グレゴリーは一旦家を出た後裏の路地を通り、空き家から屋根伝いに屋敷に戻り屋根裏へ侵入していたのです。 屋根裏にはアリスの持ち物がしまいこんであり、その中で何かを探しているようです。 ブライアンはグレゴリーの机をこじ開けバウアーからの手紙を発見、筆跡からバウアーとグレゴリーが同一人物であると断定します。 彼はアリスを殺害し、更に奪い損ねた宝石をずっと狙い続けていたのです。

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[B!] ガス燈 (映画)

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ネタバレ! クリックして本文を読む BSNHKでしてたので視聴 ガス燈を夫がつけるシーンが印象的でした そこから始まる恐怖の日々… 支配的な夫のいや~な感じがよく表現されていたし 自分をしっかり持っていない稚拙な妻っていう構図も見ててすごく… 胸がムカついてきてしまいました… 特に演奏会のシーンなんて、みてるこっちがノイローゼになりそう イングリットバーグマンはもちろんのこと、 おせっかいの近所のマダムに、お手伝いさんの2人もいい役でした シャルルボワイエがなんだか相棒の右京さんに似ていた あの人を観察するような冷たい目! 昔の映画って目がキラキラしてみえて、 俳優ってほんとにすごいな、と思いなおさせる映画でした ネタバレ! クリックして本文を読む 総合:65点 ストーリー:60 キャスト:70 演出:65 ビジュアル:60 音楽:65 見ているうちにすぐ、普通の人を洗脳していくために立てられた緻密な計画なんだというのがわかってくる。 家庭内暴力があっても妻が夫から離れないのは一種の洗脳状態にある場合も多いというが、これもまたそれに近いのかもしれない。 ただしかなり意図的に計画的にそれが行われている。 夫の緻密さと人の心理を操る知識と技術は相当なもの。 それにしても10年前の犯罪から始まって、さらに姪を探し当てて惚れさせ、結婚し、引っ越しさせ、洗脳していく。 何ともしつこいというか執念深いというか。 バーグマンよりもこの夫のほうの印象が強かった。 しかし物語自体は単純で、最初のほうですぐに誰が犯人で誰が被害者で誰が正義の味方かがわかってしまう。 何が背景にあるのかは完全にはわからないのだが、おそらく高貴な人の宝石に関連があるのだろうというのも容易に想像できる。 おそらくそれは謎解きよりも夫の行動に焦点を置いた製作者の意図であるのかもしれないが、だから話の展開はすぐに読めてしまって、犯罪物というには底が浅い。 ネタバレ! クリックして本文を読む 映画「ガス燈」 ジョージ・キューカー監督 から。 1944年製作なのに飽きることなく、観終えた。 もちろん、最近の映画に比べれば、 トリックとも呼べないような謎解きであるが、 主演のイングリット・バーグマンを眺めるだけでも 満足してしまうほどの安定感がある映画と言える。 映画冒頭、こんな会話が交わされる。 「私の声は歌手に向かないと思うんです」 「恋してるんじゃないかね?」「えぇ」 「恋でこんなに変わるとは思いませんでした。 今は幸せすぎて、悲劇など理解できません」 「恋愛にこそ、本物の悲劇があるんだよ」 何気ない音楽の先生と彼女の会話だが、 物語が進むに連れて、意味を持つようになっていく。 結婚詐欺に引っ掛かる女性には、耳が痛い台詞かもしれない。 男が彼女に近づいてきた理由は、ある目的のためだったから。 「この家を自由に使うためかもしれません。 堂々と探し物ができるようにね」の台詞で説明がつく。 騙された女性は悲しみに涙するが、 「朝になれば、夜だったのが嘘のような気がしますよ」と 慰められるシーンは、現代と変わらない。 出演者が少ない分、ゆっくり鑑賞できる作品とも言えそうだ。 好奇心旺盛のおばさんが時折つぶやく「おやまぁ」の会話が、 物語にどう関係しているのか、気になっている。

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