ワクチン 開発 期間。 ワクチン開発加速のための「人体実験」は許されるのか

新型コロナウイルスのワクチン日本の開発はいつ?銘柄や会社はどこ?

ワクチン 開発 期間

解 説 くすりは、次のような段階を経て開発されます。 (1)基礎研究(2~3年) 天然素材(植物・動物・鉱物など)からの抽出(ちゅうしゅつ)や、化学合成・バイオテクノロジーなどさまざまな科学技術を活用して、くすりの候補となる化合物をつくり、その可能性を調べる研究です。 候補となる新規物質の化学構造を調べ、スクリーニング試験を繰り返しおこなって、取捨選択していきます。 最近はゲノム情報の活用も進められています。 (2)非臨床試験(3~5年) くすりになる可能性のある新規物質の有効性と安全性を、動物や試験のために人工的に育てた細胞を用いて確認します。 また、物質が体の中でどのように吸収され体内に分布していくのか、どのような影響を与えて体の外へ排泄(はいせつ)されていくのかなどを観察したり、物質自体の品質、安定性に関する試験もおこないます。 (3)臨床試験(3~7年) 非臨床試験を通過したくすりの候補が、人にとって有効で安全なものかどうかを調べるのが臨床試験(治験)です(Q34 参照)。 治験は3段階に分かれていて、病院などの医療機関で、あらかじめ同意を得た健康な人や患者さんを対象に繰り返し試験をおこない、データを収集して、くすりとしての可否を判断します。 (4)承認申請と審査(1~2年) くすりとして有効性・安全性・品質が証明された後、厚生労働省に対して承認を得るための申請をおこないます。 厚生労働省では、医薬品医療機器総合機構に審査を依頼し、その審査を通過した後に、学識経験者などで構成する薬事・食品衛生審議会の審議を経(へ)て、厚生労働大臣が許可すると、医薬品として製造・販売することができます。 以上のように基礎研究から製造・販売まで、くすりの開発には長い期間と多くの費用が必要です。 以前と比較をすると、研究開発に要する期間は年々長期化する傾向にあります。

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インフルエンザワクチン

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パンデミックとなった新型コロナウイルス感染症は、欧米を中心に、拡大が続いている。 世界各国で、国境封鎖や感染地域からの入国制限、都市封鎖 ロックダウン などの措置がとられているが、まだ収束の見通しは立っていない。 日本でも、都市部を中心に感染者の数が増加している。 患者の集中によって医療施設が機能不全となる、医療崩壊の危機がさし迫っている。 これを受けて、政府は5月6日までとしていた緊急事態宣言を、1ヵ月程度延長する方針を固めたと報じられている。 外出自粛要請や休業要請など、市民の生活や社会、経済へ与える影響は増大している。 世界では、死亡者数でアメリカが5万人を超え、イタリア、イギリス、スペイン、フランスが2万人に達した。 感染者数では、アメリカが100万人、スペイン、イタリアが20万人を上回っている。 世界全体で感染者は309万445人、死亡者は21万7769人。 日本の感染者は1万4800人、死亡者は428人 横浜港に停留したクルーズ船を含む)に達している(4月30日現在/世界保健機関 WHO 調べ)。 この感染拡大を止めるには、ワクチンが欠かせないとされる。 現在、世界中の医薬品メーカーや研究機関で、多くの研究者がワクチン開発に取り組んでいる。 しかし、実用化までには、まだ時間がかかる見通しだ。 その理由はどこにあるのか、みていこう。 一般に、どんな医薬品でも、有効性と安全性を兼ね備えることが条件となる。 特に、ワクチンには、高い安全性が求められる。 感染症に対するワクチンは、健康な人に向けて、予防の目的で投与される。 このため、もしワクチンを投与したことで、健康な人が病気になってしまうようなら、大問題となりかねない。 医薬品開発では、原則として、臨床試験を通じて有効性と安全性が確認される。 臨床試験は、法令に定める基準やガイドラインに従って行われる。 ワクチンの臨床試験は、3つのフェーズで行われることが一般的だ。 フェーズIは、通常、少人数の健康な成人を対象に、小規模な試験として行われる。 ワクチンの有効性と安全性に関する、予備的な探索を行うことが目的となる。 フェーズIIは、健康な人を対象に、ワクチンの使用方法などに関する試験として行われることが一般的だ。 対象に、未成年者や高齢者を含むこともある。 ワクチンの接種量、接種スケジュール、接種経路を明確にすることが主な目的となる。 フェーズIIIは、大規模な集団において、有効性と安全性のデータを得ることが目的となる。 投与される被験者にも投与する医師にもわからないよう、ランダムにワクチンまたはプラセボ 偽薬 を割り当てて投与し、その効果を比較することで有効性をテストする。 これは、「無作為化二重マスク比較試験」と呼ばれている。 被験者にも、医師にもわからないため、「二重マスク」ということになる。 フェーズIIIは、数千人規模の集団を対象とすることもあり、ここで研究開発費の多くが費やされるといわれる。 成功して実用化できるか、それとも失敗に終わるか、まさにワクチン開発での最大のヤマ場といえる。 ウイルスの感染症では、予防のためにワクチンを接種することが有効となる。 かつて蔓延した、はしか、水痘、おたふくかぜ、ジフテリア、ポリオ、破傷風などの病気は、ワクチンの予防接種が進み、9割を超える人が免疫をもつようになっている。 ワクチンには、はしかのように予防接種で免疫を獲得すれば二度とかからないようにできるものもあるが、インフルエンザのように予防接種をしても感染してしまうものもある。 ただ、その場合でも、感染後にあまり重症化しないで済むといった効果が期待できるため、ワクチンとしての有効性はある。 ワクチンのタイプとして、ウイルスなどの原因微生物を発症しない程度に弱毒化したうえで使用する「生ワクチン」と、微生物の全体または一部を感染しないように無毒化して免疫を獲得する「不活化ワクチン」がある。 生ワクチンは、弱毒化したとはいってもわずかに発症のリスクが残るため、免疫不全者や妊婦には使用できない。 はしか、水痘、おたふくかぜなどに対しては、生ワクチンが用いられる。 一方、不活化ワクチンは、発症のリスクはなくこれらの人にも使用できるが、獲得できる免疫が限られていて、その持続期間も生ワクチンに比べて短い。 ジフテリア、ポリオ、破傷風などに対しては、不活化ワクチンが用いられる。 そして、いま注目を集めているのが、ウイルスの設計図ともいえる遺伝情報を使う「遺伝子ワクチン」だ。 ウイルス本体ではなく、ウイルスの遺伝子を使ってワクチンを作るため、理論上、安全性への懸念は少ないとされる。 また、開発されたあかつきには、ウイルス遺伝子を組み込んだプラスミドと呼ばれるDNA分子を、大腸菌などを使ってタンクで培養でき、ワクチンの大量生産が可能となる。 このため、従来の鶏卵を使った製造法に比べて、短期間、低コストで実用化が図られる。 ただし、これまでに、遺伝子ワクチンが人で実用化された事例はない。 いずれのワクチンにしても、発症のリスクを減らすもしくは無くす一方で、免疫を獲得できることが条件となる。 このために、ワクチン候補について臨床試験で有効性と安全性を確認することが必要となる。 では、有効性の確認は、どのように行われるのだろうか。 臨床試験のガイドラインによると、基本的には、「発症予防効果」をみることが望ましいとされている。 発症予防効果は、ワクチンを打たなかった場合と比べて、どれだけ発症する患者を減らせたかという指標で表される。 たとえば、ワクチンとプラセボをそれぞれ100人ずつ被験者に投与したとしよう。 しばらくして、ワクチンを投与された人からは20人、プラセボを投与された人からは50人が発症したとする。 この場合、ワクチンの効果により30人(=50人-20人)の発症が予防できたとみられる。 感染症の種類によって、発症予防効果は異なる。 たとえば、予防接種の効果が一生涯続くとされる、はしかの場合、発症予防効果は90%以上との研究報告がある。 一方、季節性インフルエンザでは予防接種を受けても、その効果は数か月間に限られる。 ある研究によれば、発症予防効果は65歳以上の健常な高齢者について約45%であったと報告されている。 たとえワクチンを打っても、感染や発症をしないとは言い切れないことになる。 しかし、多くの人がワクチンを打てば、感染者の数を減らすことができ、その結果、感染拡大が抑えられる。 つまり、ワクチンによって「集団免疫」が働く効果がある。 この集団免疫を効かせるために、早期のワクチン開発が望まれるわけだ。 安全性の評価は、投与されたすべての被験者に対して「有害事象」を収集するという形で行われる。 ワクチンの場合、体外の物質が化学作用することよりも、体内で免疫学的に起こる反応が問題となることが多い。 そこで、治療薬の「副作用」とは区別して、「副反応」という用語が使われる。 副反応には、予防接種をした部位が腫れたり、赤みを帯びたり、ズキズキ痛んだりする局所反応と、発熱やリンパ節が腫れるなどの全身反応がある。 局所反応や全身反応の多くは、投与後数日以内に発現するとされる。 特に、重篤な有害事象として、死亡・障害やその恐れのある症例、後世代における先天性の疾患・異常などがあげられる。 こうした重篤な有害事象に対しては、詳細な報告書を作成するとともに、報告後も十分にモニタリングを行う必要があるとされている。 これらの有害事象を収集する期間は、不活化ワクチンの場合、投与後2週間、生ワクチンの場合、投与後4週間が目安とされている。 電話連絡により確認したり、被験者が受診する際に日誌を回収したりして、収集される。 このように、ワクチンの場合は、安全性に対する評価がとても重視される。 発症予防効果がいくら高くても、副反応のリスクが大きければ、開発はストップされる。 つまり、ワクチンの開発はとても難しいということになる。 現在、世界中の医薬品メーカーや研究機関で、新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発が進められている。 ワクチン開発に参画している研究の中には、すでに臨床試験を開始しているものや、間もなく臨床試験に入ると公表しているものがある。 ワクチンの開発競争は、激しくなっている。 一般に、医薬品開発は、成功・失敗の予測が難しくリスクが大きいとされる。 特に、ワクチンの場合、開発途中で、そもそも感染症が収束したり、あるいは他社のワクチンが先に実用化されたりすれば、開発を中止せざるを得ない事態も起こりうる。 実際に、SARS 重症急性呼吸器症候群 や、MERS 中東呼吸器症候群 の感染拡大時には、そうした経緯からワクチンの開発が完成に至らなかったといわれる。 いずれにせよ、新型コロナの感染拡大を防ぐには、ワクチン開発が欠かせない。 速やかなワクチン実用化のために、開発リスクを軽減する支援も必要と考えられるが、いかがだろうか。 レポート• 研究領域• 金融・為替• 資産運用・資産形成• 社会保障制度• 不動産• 経営・ビジネス• 暮らし• ジェロントロジー 高齢社会総合研究• 医療・介護・健康・ヘルスケア• 政策提言• 注目テーマ・キーワード• 統計・指標・重要イベント• 現在発行中• 過去発行•

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実は難しい!? ワクチン開発と予防接種のはなし

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予防接種の効果って? これは本当にワクチンの種類によるので、どの病気を予防するためのどのワクチンかによって、さまざまです。 あと、予防接種を打っても免疫がつかない、という場合もあります。 とある免疫学者の先生から、ざっくりと1割くらいはどんなに予防接種を打ってもほとんど免疫がつかない人がいる、と伺ったことがあります。 それぞれの病気の予防接種に対して1割なので、あらゆる病気の予防接種に免疫がつかない人がいる、というわけではありませんので、ご安心を。 2回、3回と打つと免疫がつく人は増えるのですが、何回打っても免疫がつかない人もいるそうです。 人の体って不思議だなと思ったことを覚えています。 (だからといって予防接種を打たなくていいという話ではありませんので! また、予防接種の効果は病気ごとなので需要があれば別記事にします)。 日本の国立感染症研究所や他国の研究機関が、ウイルスの培養に成功したというニュースが大きく報道されました。 なぜ培養できたことがニュースになるのかというと、そもそもウイルスはそれ自身だけでは増殖できません。 細胞に感染しないと増えられないのです。 ウイルスからタンパク質を精製したり、作成したワクチンの効果を試したりするためには、大量のウイルスやウイルスが細胞に感染する状況が必要になります。 そのため、ワクチンを作るためには、「ウイルスを細胞に感染させて培養ができること」は必須なのです。 培養くらい簡単にできるだろう、と思う人もいるかもしれません。 それがそう簡単でもないんです。 例えば、胃腸炎の原因として有名な「ノロウイルス」。 現在もまだワクチンはありませんが、その大きな要因がウイルスの培養ができなかったから、と言われています。 しかしこれも何十年という研究の結果、ようやく2016年に培養が可能になりました。 ということで、ウイルスの培養ができるというのは、ワクチン開発(や、抗ウイルス薬の開発)にとっては大きな一歩となるわけです。 アプローチはさまざま。 ベンチャー企業の開発競争 すでに、アメリカのベンチャー企業を中心に急ピッチでワクチンの開発が始まっています。 日本の厚生労働省も感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)を通じてそれらの開発の支援をしています。 ワクチンの開発方法もさまざまです。 各企業が有用と思われる方法で探索を続けています。 開発は急ピッチで進められていますが、早くても数ヶ月はかかるでしょう。 人に試験するまでには、さらにもう少し時間がかかると思われます。 SARSとは異なり、新型コロナウイルスは潜伏期間が長いので、世界的な流行も長引くと考えられています。 ですから、時間はかかってもワクチン開発や抗ウイルス薬の開発は、きっと重要な意味をもつことになるに違いありませんね。 感染の足がかりとするヒト細胞のタンパク質が同じだということです。 もしSARSに対するワクチンや治療薬(こちらも実用化されているものはまだないが)が使えるのであれば、ワクチンや治療薬の実用化が早まるかもしれません。 研究しても研究してもワクチンが作れない病気も コロナウイルスに対してだけでなく、さまざまなワクチン開発が世界中で進んでいます。 例えば、致死率が50%を超えると言われる「エボラ出血熱」。 アフリカでは、たびたび爆発的な流行が発生しています。 新型コロナウイルスの前に、WHOが緊急事態宣言を出したのも、エボラ出血熱に対してでした。 エボラ出血熱に対しては、ようやく2018年にワクチンが臨床試験段階となり、 コンゴ民主共和国で、試験的な投与が始まりました。 エボラ出血熱のワクチンは日本でも開発が進められていて、東京大学のグループがすでに日本国内で人への臨床試験をスタートさせています。 エボラ出血熱に対しては、治療薬も臨床段階にあり、もうすぐ予防も治療な可能な病気となるかもしれません。 エボラ出血熱のように開発に成功しつつある病気もあれば、何十年と開発が続くけれど、完全なワクチンができていない病気もあります。 その一つが、マラリアです。 マラリアは、蚊が媒介するマラリア原虫がヒトに侵入しておきる病気です。 マラリア原虫の複雑な一生からワクチン開発が難しく、ずっと研究が続けられてきました。 しかしやはり完全なワクチンとは言い難く、現在も、さらに有効性が高いワクチンについて研究が行われています。 何十年研究しても、ワクチン開発が成功しない、そんな病気もあるわけです。 そして新型のウイルスは今後もぞくぞくと登場するでしょう。 病原体と人類との戦いはやはり難しいものがありますね。

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