情報 リテラシー と は。 情報リテラシー

リテラシーとは?リテラシーの種類と使い方

情報 リテラシー と は

概要 [ ] が1989年に発表した最終報告書は、情報が必要とされるときに情報を""にそして"効率的"に 1 探し出し、 2 精査し、そして 3 使うことができる能力を保持する人のことを情報リテラシー能力を保持している人と定義する。 つまり、中世の大学における三科 文法・論理・修辞 のように、現在の情報化社会において、コンピューターをただ使用するだけではなく、情報にアクセス、精査し、社会的、文化的、そして哲学的な状況・影響を知ることができる能力としている。 北米においては、高等学術機関向けに Association of College and Research Libraries ACRL, 2000 が作成したがある。 これを基に、・の環境を加え、改変したのが Australian and New Zealand Institute for Information Literacy が2004年に発行した Australian and New Zealand Information Literacy Framework] である。 Australian and New Zealand Information Literacy Framework は、情報リテラシーが備わっている人には次の6つの要素が備わっているとする。 下記6項目は原資料では細目に展開され、その中には「複数のを使用しての意思決定」「他者の著作権・知的財産権への配慮」「他者の文化的背景等の尊重」等が記される。 情報に対するニーズを認識し、必要とする情報の性質と範囲を決定できます。 効果的に、そして、能率的に必要な情報を見付けられる。 批判的に情報や情報探索過程を評価できる。 収集した情報や自らのなどから生み出された情報を管理できる。 より重要で新しい情報を適用して新しい概念や新しい理解を生み出せる。 理解しながら情報を用い、情報を用いるということの周囲にある文化的・倫理的・経済的・社会的な問題を認識できる。 「財団法人社会経済生産性本部認定UBA能力試験」のウェブサイトにある「情報リテラシーとは」は以下の記述をする。 情報は様々な形式で表されるため、情報リテラシーは、これまでの文字に代表される印刷物以外の媒体についても対象となる。 文字の読み書き以外にも、視覚、聴覚、コンピュータ(携帯機器、ネットワークを含む)に関する能力などが含まれる。 大きくは、情報を収める媒体に注目したと、情報の高速多量の処理が可能なコンピュータに注目したに分けられる。 これらのことを踏まえると、「激しく変化する社会の中で生き抜くためには生涯学習が必須となり、そしてその方法をそれぞれが身に付けるためには情報リテラシー能力の獲得が必須となっているということ」、情報リテラシーとは、「私たちが社会生活を行っていく上で、媒体を問わずあらゆる情報に対する 1 情報ニーズを認識する能力 2 情報を発見・獲得する能力 3 情報及び情報探索過程を評価する能力 4 情報管理能力 5 情報に基づいて新たな理解を生み出す能力 6 情報の背後にある問題を認識する能力」であることが言えよう 『私たちの暮らしにとって情報リテラシーとは何か』より。 情報リテラシーの日本的概念 [ ] 日本では情報リテラシーとは情報機器を活用して情報社会を生きていく能力といったニュアンスで使われているようである。 米国の情報リテラシー(以下「インフォメーションリテラシー」とする。 )と日本で考えられている情報リテラシーには相違部分が以下のように見られる。 「情報の検索」インフォメーションリテラシーは日本の情報リテラシー概念に比べ情報の検索に重点が置かれている。 「情報の評価」インフォメーションリテラシーの中心概念の一つで日本の情報リテラシーにはあまり見られない視点である。 「利用の文脈」日本の情報リテラシーが、その能力が活かされる領域を具体的に設定していないのに対し、インフォメーションリテラシーは生涯学習の色が濃く現れている。 「技術と操作」インフォメーションリテラシーでは、技術や個別の操作的事項の教育のウェイトが低い。 したがって、情報リテラシーの日本的概念は以下のような6つの要素からなるものと考えられる。 情報の発生、流通、収集、組織、利用のプロセスあるいはシステム• 情報を探し出し、入手するためのシステムとサービスの利用法• 図書館を含む多様な情報チャンネルと資源の有効性と信頼性を評価する方法• 自分の必要とする情報を収集し、加工し、保管するための基礎的技能• 成果発表の方法• 広く情報に関する諸問題(著作権、プライバシー、情報公開等)を理解出来る知識 情報リテラシーにかかわる取り組みの経緯 [ ] 世界 [ ] International Federation of Library Associations and Institutions, IFLA 内に設置されていた利用者教育ラウンドテーブル the User Education Roundtable が情報リテラシーのための活動への関心が世界規模で広まったため2002年に情報リテラシー分科会 Information Literacy Section に拡充された。 ここでは、2006年に公表された"Guidelines on Information Literacy for Lifelong Learning"の最終草稿の見直しが以下の目次のように行われている。 Information Literacy Concepts 情報リテラシーの概念• Information Literacy and Lifelong Learning 情報リテラシーと生涯学習• International Standards 国際標準• Institutional Commitment 制度的関与• Action Plan 行動計画• Personnel Development 従事者の育成• Learning Theories 学習に関する諸理論• Learning Assessment 学習の評価• Glossary 用語集• Bibliography 書誌• Index 索引 米国 [ ] 上述 Australian and New Zealand Information Literacy Frameworkによると、情報リテラシー Information Literacy という言葉が最初に使われたのは、Paul Zurkowski著 The Information services environment, relationship and priorities 1979 の中だといわれている。 その後、内に設置された「ALA Presidential Committee on Information Literacy」の第1次報告において大綱が示され、1989年に同委員会からが発表されたのち、アメリカでは図書館での取り組みが進められていった。 日本 [ ] 日本で「情報活用能力」が公的に述べられたのは1986年の臨時教育審議会による『教育改革に関する第二次答申』が最初であるといわれている。 その後文部省で1990年に『情報教育に関する手引き』が発行されたり、1992年に全国学校図書館協議会で『資料・情報を活用する学び方の指導』体系表がまとめられたり、1998年の小中学校学習指導要領の改訂の中で生きる力の育成が目玉とされ その一環として情報活用能力が重要視される たりするなど、様々な取り組みが進められた。 また、1998年に日本図書館協会から『図書館利用教育ガイドライン』が出版されたり、同年に京都大学で始まった全学共通科目「情報探索入門」で図書館が情報リテラシー教育支援の取り組みを行い、それが日本全国の大学へと広まっていくなどの経緯があった。 90年代後半からインターネットの商用利用が拡大するとともに、業務能力の一環として捉えられるようになり、従来までの学究的な意味合いと区別するために、経済産業省、商工会議所などが「情報活用力」を用いるなど、同義語が拡大する傾向にある。 (近年では文部科学省も力の定義の中で、情報活用力を用語として用いている。 ) 脚注 [ ].

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情報リテラシー(じょうほうりてらしー)とは

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リテラシーと言った言葉を聞いたことがある方も多いと思います。 また、情報リテラシーやメディアリテラシーと言った言葉が職場などで頻繁に使われている会社も多いと思います。 ここではリテラシーの意味だけではなく、メディアリテラシーのようなリテラシーの種類、そしてリテラシーと言った言葉の使い方を例文でご説明していきます。 リテラシーとは? リテラシー(literacy)とは本来の日本語の意味からすると「読み書きをする能力」のことです。 そのため本来は「江戸時代の人々はリテラシーの低い人(文字を読み書きできない人)が多かった」と言ったように使われます。 しかし、現在のビジネスシーンで使われているリテラシーは少し意味が異なります。 この後紹介するリテラシーの種類の1つにメディアリテラシーがありますが、メディアリテラシーとはテレビや新聞、SNSなどのメディアに関する知識や活用する能力のことを意味する言葉です。 そのため、単にニュースなどに詳しいだけでなく、ニュースで流れている情報が正しいかどうか判断でき、その出来事によって派生的にどういったことが起きる可能性があるのかなどを考えられる能力などを指します。 そんなリテラシーは単にリテラシーと言うこともありますが、メディアリテラシーやコンピューターリテラシーと言うのが一般的です。 また単にリテラシーと言う時もメディアリテラシーを略してリテラシーと言ったり、コンピューターリテラシーを略してリテラシーと言うのが一般的です。 リテラシーの種類 上記で紹介したメディアリテラシーや冒頭でも触れた情報リテラシー以外にもコンピューターリテラシーや金融リテラシーなど様々なリテラシーが存在しています。 メディアリテラシー 上記でも触れましたが、メディアリテラシーとはメディアから配信される情報を正しく理解し活用できる能力のことです。 特にネットメディアには真偽が定かではない情報が配信されていることも多く、メディアリテラシーの高い人はそれらの真偽をしっかりと見定め、プライベートはもちろん仕事などにも活かすことができますが、メディアリテラシーがない方はフェイクニュースなどの情報を鵜呑みにしてしまい振り回されてしまうこともあります。 ネットリテラシー ネットリテラシーとは文字の通りインターネットに間する知識とインターネットを活用することができる能力を意味する言葉です。 ネットを使い必要な情報を探し出したり、SNSを活用し様々な人と情報の交換をしたり、コミュニケーションを取ることができる能力をさしますが、SNS上に無断で他人の写真を公開・使用してしまったり、誹謗中傷を繰り返してしまうなど行為を行う方は例えSNSと言ったツールを使いこなすことができていたとしてもネットリテラシーが高い人とは言えません。 コンピューターリテラシー コンピューターリテラシーとはパソコンやiPadなどのタブレット、さらにはスマホなどのコンピューターを活用し目的の作業ができる能力を指す言葉です。 また、そういったハード(本体)だけでなく周辺機器であるルーターやサーバなども含まれます。 さらに業務などではプログラム言語を使い様々なツールを開発することだけでなく、エクセルを使い業務管理を行ったりすることもコンピューターリテラシーに該当します。 また、プライベートで写真を加工したり、動画を編集できる能力もコンピューターリテラシーに該当します。 少し前までは若い世代の方がコンピューターリテラシーが高いと言われていましたが、スマホの普及によりパソコンを触ったことがない、または普段は触らないと言った方も多くなり、必ずしも若いからといってコンピューターリテラシーが高いとは限りません。 ITリテラシー ITリテラシーとは上記のネットリテラシーやコンピューターリテラシーなどを含むのがITリテラシーです。 また、業務に関して言えばホームページのアクセス解析などを活用したWEBマーケティングの能力や情報漏洩を防ぐためのセキュリティに関する知識や活用する能力もITリテラシーとなります。 金融リテラシー 金融リテラシーとは主に金融関する知識や活用する能力を指します。 銀行に給与を預けることも金融リテラシーの1つですが、他にも生命保険などの金融商品を活用しリスクヘッジを行うことや株などを活用し資産を運用することができる能力も金融リテラシーとなります。 また、詐欺まがいな金融商品を見極め被害に合わないことも金融リテラシーの一つです。 近年は年金問題や景気の低迷など問題により国民一人ひとりが金融リテラシーを高めていく必要があると言われています。 ヘルスリテラシー ヘルスリテラシーとは健康に関する情報を入手する力や理解する力、活用する力のことを言います。 例えばネット上で「風邪には豚骨ラーメンが効く」と言った情報が上がっていたとしてもその事実は定かではありません。 そういった情報の正誤を正しく判断し活用できるかどうかでヘルスリテラシーの有無が決まります。 その他にもあるリテラシー リテラシーという言葉は比較的最近登場し使用されるようなった言葉です。 そのため、常に新しい種類の〇〇リテラシーが登場しています。 もちろん、新しくできても一般的には普及せず、消えていくものもあります。 情報リテラシー データ・リテラシー ゲーム・リテラシー 視覚リテラシー 精神リテラシー 法律リテラシー 金融リテラシー 科学リテラシー マルチメディア・リテラシー 統計リテラシー 人種リテラシー 文化リテラシー 環境リテラシー リテラシーの使い方 上記の説明でもすでに出てきてしまっていますが、ここからはリテラシーの使い方についてご紹介していきます。 特に下記の「低い・高い」「ない・ある」と言った表現は使われることが多いので覚えておく、または使えるようにしておきましょう。 低い・高い 例:若年層は熟年層よりもITリテラシーが高いがメディアリテラシーは低い傾向にあります。 例:彼は自分でITリテラシーが高いと思っているようだが、活用できているとは思えない。 ない・ある 例:メディアリテラシーがないといつもニュースに振り回されるだけになってしまいますよ。 例:コンピューターリテラシーの高い人は自分でパソコンやスマホを使いこなせるけど、他人に教えるのは下手な傾向にある。 その他 例:将来を考え金融リテラシーに関する講座に申し込んだ。 例:今日の講義でヘルスリテラシーを語っていた講師のブログ見たけど、毎日ラーメン食べてるみたいだよ。

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ITリテラシーとは?3つの意味とリテラシー向上のポイントを解説!

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1.リテラシーと情報リテラシー リテラシーという言葉は元々、〝letter〟=「文字」を由来としていて、文字についての読み書き能力を表しています。 それは、OECD(経済協力開発機構)の国際成人力調査では、「社会に参加し、自らの目標を達成し、自らの知識と潜在能力を発展させるために、書かれたテキストを理解し、評価し、利用し、これに取り組む能力」とされています。 言い換えれば、自己実現のために、自分が持っている潜在的な能力を十分に生かせるように情報を得て適切に意思決定ができる能力です。 これは人間の尊厳を表すものと言えます。 あふれる情報の中から、自分に合ったものだけ、信頼できる情報だけを取り出して上手に利用できるとどんなによいでしょう。 そのために必要な力は、まず、様々な情報源から自分に合った適切な情報を探して「入手」する力です。 そのような情報はどこで手に入るのでしょうか。 探すのは簡単でしょうか。 多様化、高度化する社会において自分に用意されている選択肢を知ることは重要です。 選択肢を知らなければ選べず、知ると知らないでは大きな違いを生みます。 次に、見つけた情報を正しく「理解」する力が必要です。 そして、それが信頼できるかを「評価」して、選別しなくてはなりません。 そうして、信頼できる情報が手に入ったとして、今度はそれを「活用」できるかどうかです。 活用するとは、そこで何らかの意思決定をして行動に移すことです。 それができなければ情報は何の役にも立ちません。 このような、情報を「入手」「理解」「評価」「活用」するという4つの力を、情報リテラシーと呼ぶことができます。 2.ヘルスリテラシーとは? 1)ヘルスリテラシーの定義 そこで、ヘルスリテラシーとは何かといえば、「健康情報についての情報リテラシー」を指していることになります。 この見方を含めて、多くある定義を整理してまとめたものを紹介します。 健康情報を入手し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力であり、それによって、日常生活におけるヘルスケア、疾病予防、ヘルスプロモーションについて判断したり意思決定をしたりして、生涯を通じて生活の質を維持・向上させることができるもの[1] ここでは、4つの能力にまとめられ、それは3つの場面で必要となるとしています。 症状や病気への対処などの医学的な問題に関する「ヘルスケア」の場面、病気のリスクファクター(危険因子)に関する「疾病予防」の場面、人的環境と物的環境など人を取り巻く環境を健康的なものに変える「ヘルスプロモーション」の場面です。 例えば、眠れないという訴えを持つ人にとって、「ヘルスケア」の場面では、症状の医学的な理解と対処法、医療者などの相談先の選択などが問題となります。 「疾病予防」の場面では、その「本人」の生活やストレスが問題となるのに対して、「ヘルスプロモーション」の場面では、その人を取り巻く「環境」が問題で、家庭・学校・地域・職場などでの人間関係や生活な環境が対象になります。 たとえ、リスクファクターとして強いストレスの存在が明らかになったとしても、本人だけでなく環境に問題にある場合は、その環境に働きかける必要があるということです。 本人だけを責めるのは犠牲者非難というものです。 ヘルスリテラシーは、「ヘルスケア」の場面だけでなく、「ヘルスプロモーション」でも中心的な役割を果たす概念で、環境を変えられる力、変えるための活動に参加できる力を指しています。 このように、ヘルスリテラシーは、情報に基づいた意思決定により「健康を決める力」と言えると思います。 2)ヘルスリテラシーに種類がある (1)周囲の環境によってはよりレベルの高いヘルスリテラシーが必要に ヘルスリテラシーには、いくつかのレベルや次元があるという意見もあります。 ナットビーム(Nutbeam)は、ヘルスリテラシーには3つのレベルがあるとしました[2]。 基本的なものからより高度なものまで、つぎの3つがあるとしています。 1機能的 functional ヘルスリテラシー 日常生活場面で役立つ読み書きの基本的能力をもとにしたもので、健康リスクや保健医療の利用に関する情報を理解できる能力。 2相互作用的 interactive ヘルスリテラシー より高度で、人とうまくかかわる能力(ソーシャルスキル)を含んだもので、日々の活動に積極的に参加して、様々な形のコミュニケーションによって情報を入手したり意味を理解したりして、変化する環境に対しては新しい情報を適用できる能力をもとにしたもの。 サポートが得られる環境において発揮できる個人の能力であり、知識をもとに自立して行動でき、とくに得られたアドバイスをもとに行動する意欲や自信を高められる能力。 ほとんどが集団のためでなく、個人のための能力である。 3批判的 critical ヘルスリテラシー 情報を批判的に分析し、この情報を日常の出来事や状況をよりコントロールするために活用できる能力をもとにしたもので、健康を決定している社会経済的な要因について知り、社会的政治的な活動ができる能力。 これらを言い換えると、機能的ヘルスリテラシーが情報を受ける、いわば受け身な立場でそれらの情報を理解できる能力です。 相互作用的ヘルスリテラシーは周囲の人々とうまくコミュニケーションができること、いわば、サポーティブな環境の中で情報をもとにうまく立ち回れる能力です。 批判的ヘルスリテラシーは、自分の目的の実現にとって周囲の人々や環境が障害になっている場合、置かれた状況に関する情報をしっかりと分析し、それらを変えることができる能力といえるでしょう。 健康情報が理解できても、行動に移すためには周囲の協力が必要なことが多くあります。 そのために、周囲の理解を求めて協力してもらえればいいですが、そうではないときには周囲を変えていかないと実現しないわけですから、3つのヘルスリテラシーを備えていく必要があることはよく理解できることです。 批判的ヘルスリテラシーは、ブラジルの教育学者フレイレによる「批判的意識化」から来ています。 フレイレは、「沈黙の文化」という、ブラジルの貧しい農村の人々が支配者によって抑圧され、文字を知らされず、否定的な自己像を植え付けられ、沈黙している文化を発見しました。 その解決方法として生み出された「批判的意識化」は、人々が「沈黙の文化」の存在を意識し、自分たちが置かれている状況を客観的に自覚して、それを主体的に変えていく、ということです。 それは、エンパワーメントと呼ばれ、個人や集団が、不利な状況下におかれても、本来備わっている力を十分発揮できるように、環境を変える力を身に付けるという意味で用いられています。 「沈黙の文化」は、ブラジルの農村だけにあるわけではないでしょう。 エンパワーメントが求められているところはどこにでも存在します。 読み書きは達者でも、健康や医療の情報をきちんと知らされていない、知っていても行動に移せない、環境や条件が整っていないなどの理由で、沈黙している人はいないでしょうか。 日本でも決して少なくはないように思えます。 「批判的ヘルスリテラシー」は、他の2つのヘルスリテラシーと大きく異なっていて、個人の利益だけでなく集団の利益に結び付くものです。 それは個人の能力だけでなく、集団やコミュニティの能力です。 ヘルスプロモーションは、人々の参加によって人々自身の手によって、行われるものです。 (2)科学、市民、文化の次元を考えた4次元のリテラシー ザーカドゥーラス(Zarcadoolas)らによって提案された4つの次元からなるヘルスリテラシーのモデルを紹介します[3]。 具体的にどのような能力なのかを別の角度から説明してくれていて参考になります。 1基本的リテラシー(fundamental literacy) まず、基本的リテラシー(fundamental literacy)は、読み書き、話すこと、計算能力を意味します。 情報を得るための基礎となる能力として重要です。 いくら識字率が高くて、基本的リテラシーが高くて、健康関連の用語は専門用語や特殊な表現が含まれることから、理解が難しくなる傾向があります。 特に、高齢化、医療の高度・複雑化が進むにつれ、ヘルスリテラシーの差が広がることは、健康格差につながる可能性があるため、日本でも基本的リテラシーの現状を把握し、現状にあった対策を講じていく必要があると思われます。 2科学的リテラシー(scientific literacy) 科学的リテラシー(scientific literacy)は、科学の基本的知識、技術の理解の能力、科学の不確実性(将来のできごとを完全に予見できないこと)への理解を意味します。 科学的リテラシーが重要となる背景には、急速な科学の進歩があります。 よりよい健康を維持するためにはこれまで以上に複雑な健康関連の用語やを理解することが必要となり、そのためには、からだや病気についての知識や、確率やリスクについての知識も必要となってきています。 また、科学的リテラシーを身につけるということは、科学の知識や健康関連の用語が理解できるだけではないでしょう。 それらを他のヘルスリテラシーと統合させて健康のためのよりよい意思決定につなげることを意味します。 科学的リテラシーは、日々の生活が科学や技術の発展の上に成り立っていることを理解することでもあります。 日常生活に科学が密接に関係していて。 科学が重要であることを知り、科学に対し積極的な関心や楽しさ、好奇心を持てるようになることによって、科学的なリテラシーを高めることにつながると考えられます。 科学的リテラシーを高めて健康を維持できるよう、科学に関する知識や科学的なスキルをつけるとともに、科学への探求心、自信、科学を学ぶ意義や楽しさ、科学に対する興味・関心も高められるような教育や支援体制の整備も期待されます。 3市民リテラシー(civic literacy) 市民リテラシーは、市民が社会的な問題を意識し、社会の意思決定過程に参加する能力です。 それには、まず、新聞やテレビなどマスメディアの情報を理解・活用できる力であるメディアリテラシーが必要です。 とくに、日本人は、他の先進国と比べるとマスメディアへの信頼が過剰なほどに高いことが知られています[4]。 さらに、市民リテラシーとして、人々が政府や行政などと交渉したり話し合って政策を決めることについての知識、個人の健康に関する行動や選択が社会の人々の健康に影響することの認識があります。 健康保険・介護保険などの保健医療福祉の制度や法律、その決定の方法について知っていることもそうでしょう。 市民リテラシーは、ヘルスプロモーションには欠かせないもので、とくに批判的ヘルスリテラシーを身に付けるために不可欠なものです。 日本の健康政策としては、2003年には健康増進法が施行され健康維持は国民の義務とされました。 このような日本での現行の制度に対し、私たちが健康で幸せに暮らせるために今後の制度がどのようであることが望ましいと考えられるのか、市民として関心を持ち判断し、政策決定過程に関わっていく姿勢も必要であると思われます。 4文化的リテラシー(cultural literacy) 文化的リテラシーは、健康情報を解釈し、それに基づいて行動するために、自分が所属している文化を認識した上で活用できる能力を意味します。 つまり集団の信念、習慣、世界観、ある集団に自分が属しているという感覚(社会的アイデンティティ)を認識し、活用する能力です。 例えば、地域の慣習や迷信、流行などは、エビデンスと一致しているものもあればそうでないものもあります。 他者とのコミュニケーションにおいて、あらゆる文化、階層、人種、年齢、ジェンダー、セクシュアリティ、民族、宗教の人に対して相手を尊重する能力、他の文化の人々にとっての健康的なライフスタイルの定義や健康に影響する文化の影響力などを理解できる能力です。 これは健康をめぐる文化的な多様性(ダイバーシティ)に敏感になり、それを受け入れ、学ぶことができる力です。 このように、社会の様々なしくみや文化を知ることが、自分だけでなく、みんなの健康をつくるために必要だということです。 例を挙げて考えてみましょう。 ある夫婦が授かった子どもが、障害を持って生まれてくるリスクがあることが分かったとします。 しかし、実際、その夫婦が子どもを出産するかどうかの決断は、そのようなリスク情報以外に、生まれてきた子どもが受ける社会に根ざした文化からもたらされる境遇(文化的リテラシー)や、生後受けられる医療や社会保障のありかたやそれらの将来の見通し(市民リテラシー)など、実際の生活に関係するいくつかの領域における事柄を検討した上で下されると考えられます。 このように、ここで定義されるヘルスリテラシーの4つの領域の関係は、相互に高めあったり補完しあったりするものと考えられています。 2)ヘルスリテラシーの健康への影響 ヘルスリテラシーが低いことは、健康にどのような影響をもたらすのでしょうか。 特に、機能的ヘルスリテラシー(健康情報の読み書き能力)が様々な影響を及ぼすことが明らかにされてきました。 次のようなものです。 一方、機能的ヘルスリテラシー以外のヘルスリテラシーを測定した先行研究は少ないのですが、相互作用的あるいは批判的ヘルスリテラシーが高いことと、以下のようなこととの関連が報告されています。 ヘルスリテラシーが高い人は、健康的な行動習慣を確立している。 ヘルスリテラシーが高い人は、仕事のストレスの対処において、積極的に問題解決をしたり他者からのサポートを求める。 コミュニケーションの向上のための方法 ヘルスリテラシーを向上させる要因にはどのようなものがあげられるのでしょうか。 過去の海外の研究からは、ソーシャルサポート、家族や仲間の影響、メディア利用などがあげられています。 コミュニケーションを成功させるには、対象のヘルスリテラシーや価値に応じて情報を提供して、それがうまく伝わったかのフィードバックが欠かせません。 そのための手法として最近、注目されているものに、ソーシャルマーケティングがあります。 商品を売るためのマーケティングの手法を、非営利行為のために活用したものです。 対象のニーズや好み、価値観、利用しているメディアや人とのつながりなどで、対象を分けて、メッセージの内容や伝え方を変える方法です。 ヘルスリテラシーという言葉を使う意義 最後に、ヘルスリテラシーという概念、言葉を用いる意義について述べたいと思います。 まず、従来から市民や患者の持つ力への注目はありましたが、スキル、コンピテンシーなどという呼び方では、リテラシーのように誰もが持っておくべき力という意味合いが伝わりにくいでしょう。 読み書きができるというリテラシー教育の保障は、社会の一員として生活するための人権の問題として考えられていますが、ヘルスリテラシーも同様です。 健康である権利の保障のためには、ヘルスリテラシーは誰もが持つべき能力であるといえます。 エンパワーメントという言葉も、同じ意味合いなのですが、専門家は理解できても、誰もが理解しやすい言葉ではないでしょう。 また、エンパワーされた後に残るものが何かが明確ではありません。 リテラシーという言葉はその普及度からも市民でも医療者でも理解しやすく、スキルとエンパワーメントの持つ両者の特徴をあらわしている点で魅力的だと思います。 また、疾患や健康問題を問わないで、個々人に必要な力、共通の目標として使えます。 さらに、その向上のために、広く、科学リテラシー、市民リテラシー、文化リテラシー、メディアリテラシーなど、多くのリテラシーの向上にかかわっている方々とつながることが可能です。 これは、まさにヘルスプロモーション活動に必要なことです。 また、ヘルスリテラシーを測定し、評価する意義もあります。 それが測定できればその能力の成長、発達を確認できますし、向上のためのプログラムも計画、評価可能です。 ただし、ヘルスリテラシーはすべての人が持つことが望ましいですが、残念ながらこれまでにその教育を受けられなかった人のほうが圧倒的に多く、すべての人がこれから身に付けるのは大変です。 そう考えると、それが低い人は、セーフティネットとして高い人とつながっていることが保障されていることが不可欠だと思います。 つながっている人を活用できることもヘルスリテラシーです。 Facebook、Twitter、LINE、ブログ、YouTubeなどのソーシャルメディアをはじめ、最近はやりつつあるカフェや保健室、患者図書室など様々な人がつながる場を通して、1人ひとりのヘルスリテラシーをめぐる経験についてコミュニケーションをとることが可能になってきています。 そのようなつながりや学びあいのなかで1人ひとりに合ったヘルスリテラシーの向上方法も探れるでしょう。 ヘルスリテラシーは、人々が支え合うために、つながり、学びあうという形成の重要な柱となっていると考えられます。 文献 1 Sorensen K, et al. Consortium Health Literacy Project European. Health literacy and public health: a systematic review and integration of definitions and models. BMC Public Health. Jan 25;12:80, 2012. 2 Nutbeam, D. : Health literacy as a public health goal: a challenge for contemporary health education and communication strategies into the 21st century. Health Promotion International, 15 3 , 259-267, 2000. 3 Zarcadoolas, C. , Pleasant, A. : Advancing Health Literacy: A Framework for Understanding and Action. San Francisco, CA: JOSSEY BASS, 2006. 4 舞田敏彦:メディアへの信頼度が高いだけに世論誘導されやすい日本. ニューズウィーク日本版. 2015. (中山和弘、田口良子).

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