グリーン ランド。 グリーンランドの氷が急激に溶けている?進む温暖化の影響か

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World Now 2019. 03 2月、イルリサットに面するディスコ湾では氷山の手前を、漁船が航行していた。 デンマークの自治領のこの島は、地球温暖化のおかげで独立する最初の国になるかもしれない。 今年1月、米学術誌に「グリーンランドの氷がこれまでよりはるかに速いスピードで解けている」との論文が掲載されたが、島では氷河が解けることで地下資源の開発が進み、これまでになかった資金が回り始めている。 島には様々な地下資源が眠っています。 私たちは、レアアースの採掘を計画しているんです」。 鉱物資源開発会社「グリーンランドミネラルズ」の現地責任者ヨハネス・キェッドは自信ありげに話した。 会社は2007年の創業以来、島の南端近くの鉱山で資源調査や試掘を続け、4年後の本格操業を目指している。 グリーンランドは島のあちこちで鉱物資源開発が進む「自然資源の最後のフロンティア」。 なかでも最北端の亜鉛鉱山は世界で6番目の生産量が期待される。 自治政府の鉱物資源相エリック・イエンセンは「温暖化で氷河が後退して氷が薄くなったおかげで、鉱物資源の開発がしやすくなったのは確かだ」と認める。 ディスコ湾の上を鳥が旋回していた。 かつて冬場の海は凍り付いていたという。 18世紀から200年以上にわたってデンマークから植民地支配を受けてきたグリーンランド。 1979年に自治政府が発足し、自治権を拡大してきたものの、外交や安全保障などの権限はいまもデンマークが握る。 先住民族が9割を占める島民の独立への思いは強く、議会にはすでに反対派はいない。 ネックになってきたのは、独立することでデンマークからの補助金がなくなることだ。 そこに、温暖化という追い風が吹いた。 鉱物資源が主要産業に急成長しただけでなく、輸出の9割を占める水産業も好調に。 17年のタラ漁獲高は13年の2倍以上だった。 最近では、マグロが揚がったというニュースが現地の人を驚かせた。 冬場は海氷の上を犬ぞりで移動してアザラシを狩り、オヒョウを釣る生活は、氷が薄くなり、冬場も船で漁をするようになって大きく変わったという。 水産大臣も務めた元漁師のハンス・イバーセン 78 は「海が温かくなったおかげで、南の魚種が北上して捕れるようになった」と話す。 グリーンランドでは都市間の道路が整備されていない。 イルリサットでも市街地以外の移動は、いまも犬ぞりやスノーモービルが中心だ 世界遺産の氷山が浮かぶディスコ湾が冬も凍らなくなったことで、観光客数も伸びている。 沿岸の街イルリサットには季節を問わず、遊覧船で氷山観光をする人たちが世界中から集まるようになった。 ディスコ湾からイルリサットのカラフルな家々と漁船を望む 財源が増えるなかで、10年前には自治政府予算の3分の2を占めていた補助金の割合は3分の1にまで減り、経済的な自立が見えてきた。 一方で、一時は島中が沸き立った石油資源開発は、石油価格の変動のなかで頓挫。 地下資源開発も波が大きく、独立に向けた期待と不安が入り交じる。 存在感見せる中国 米にも警戒感 そんな島で、にわかに存在感を見せているのが「一帯一路」構想の延長で北極海開発を目指す中国だ。 中国資本が島の主要産業に相次いで出資。 「グリーンランドミネラルズ」の筆頭株主も中国企業だ。 さらに今、島内の空港整備計画をめぐってデンマークと米国を巻き込む騒動が起きている。 広大な島では、都市間を行き来する飛行機は「日常の足」。 だが、島内のほとんどの空港は滑走路が短く、40席足らずのプロペラ機しか飛べない。 経済成長で需要も増えるなか、中心都市ヌークやイルリサットなど3カ所にジェット機も就航できる滑走路をつくる計画が持ち上がった。 総工費36億デンマーククローネ 約600億円 は、島にとっては巨額だ。 グリーンランド・ヌーク空港のプロペラ機 そこに中国が出てきた。 入札に参加する企業の候補6社に中国のインフラ大手「中国交通建設」が残ると、デンマーク政府は急遽1億ドル余りを自ら出資すると言い出した。 島内に米空軍基地を抱えることから安全保障面で問題視し、米国の警戒にも配慮したとみられる。 この受け入れをめぐって政権与党は分裂し、議会は混乱。 政府が最終的に受け入れを決めたため、今回は中国と距離を置く形で落ち着きそうだ。 それでも、財務大臣のヴィットス・クヤゥキッチョックは、したたかだ。 「中国の脅威や安全保障上の問題については理解している。 でも、私たちには投資が必要で、お金に色がついているわけでもない。 ほかの国とも話しているし、バランスは取っているよ」 グリーンランド財務相のヴィットス・クヤゥキッチョック 温暖化が進む北極圏で繰り広げられる「パワーゲーム」と、その波に乗って悲願の独立を成し遂げようとする人たち。 その一方で、専門家が「グリーンランドの氷がすべて失われると、世界の海面は約7メートル上昇する」と指摘するように、海抜の低いバングラデシュや太平洋の島々の人たちの将来は、この島の氷がどうなるかにかかっている。 【合わせて読む】.

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グリーンランドは、北アメリカ大陸の北東にある世界最大の島。 面積は日本の6倍で、サウジアラビアやメキシコに匹敵する。 小学校などで掲示されるメルカトル図法の世界地図では北極点に近いために拡大されて、オーストラリア大陸より大きく見えることで有名。 実際にはその3分の1程度だ。 北極に近く寒冷なため、氷が全土の85%を覆っている。 デンマーク王国の一部だが1979年に自治権が与えられ、独自の議会を持つようになった。 によると、グリーンランドの人口は約5万7000人。 世界でもっとも人口密度の低い地域の一つだ。 日本大百科全書によると人口の7割が、北欧系とイヌイットのミックスである「」だ。 もともと狩猟民族のイヌイットが住んでいたが、10世紀にはアイスランドからヴァイキングが移住してきた。 ヴァイキングたちは、13世紀にノルウェー王国支配下に入った。 ヴァイキングの定住地は気候の寒冷化などで15世紀にはなくなったが、18世紀にはノルウェー人の宣教師らが再入植した。 これが現在の首都ヌークの始まりだ。 当時、ノルウェーはデンマークと同君連合を組んでいたが、1814年のキール条約でデンマークから分離し、スウェーデンと同君連合を組むことになった。 ただし、グリーンランドに関してはデンマーク領とされ、今に続いている。 資源採掘や航路開発が容易に 島のほとんどが氷に覆われたグリーンランドだが、気象温暖化が追い風となっている側面がある。 北極圏の氷が解けたことで、北極海航路という新たな物流ルートが生まれているほか、石炭や亜鉛、銅、鉄鋼といった豊富な天然資源が採掘しやすくなっているからだ。 グリーンランド自治政府の鉱物資源相エリック・イエンセンは「温暖化で氷河が後退して氷が薄くなったおかげで、鉱物資源の開発がしやすくなったのは確かだ」との取材に認めている。 米軍基地があるが中国も食指 また、グリーンランドは大西洋と北極海の間に位置するために戦略的にも重要だ。 によると、第二次世界大戦中のドイツのグリーンランド侵入に対し、アメリカが進駐して反撃にあたり、各地に基地をつくった。 グリーンランドの購入計画はトランプ政権が初ではなく、大戦直後の1946年にも、当時のトルーマン大統領が1億ドルでの購入を提案したが、デンマークに断られている。 その後も米軍は、大戦後の1953年にグリーンランド北部のカナークに世界最北の米軍基地「チューレ空軍基地」を建設。 当時のソビエト連邦から北米大陸を守る拠点とされ、ICBM(大陸間弾道ミサイル)が撃たれても、いち早く警戒できるように「弾道ミサイル早期警戒システム」のレーダーが設置された。 冷戦下の最前線となったのだ。 このように米軍の強い影響下にあるグリーンランドだが、近年では中国も食指を伸ばしている。 によると2016年には、グリーンランドにある古い基地を買収しようとしてデンマークに阻止された。 デンマークの当局者はメディアに対し、阻止はアメリカの意を受けてのことだったと語っている。 2018年にも中国企業がチューレ空軍基地の近くに空港を建設しようとして失敗したという。 その理由は? 「グリーンランド」という名前だが、10世紀のノルウェー人「赤毛のエイリーク」(別名:赤毛のエイリークル)が命名したと、アイスランドに伝承される中世文学「サガ」には書かれている。 それによるとエイリークは、ノルウェーで殺人を犯した後に、アイスランドに移り住んだが、ここでも事件をおこして追放された。 西に向けて航海をしている最中に、グリーンランドを見つけて探検した。 エイリークはアイスランドに帰還後、グリーンランドへ植民する仲間を募った。 25隻の船で出発し、14隻が辿りついた。 「グリーンランド(緑の土地)」と命名したのは、緑豊かな土地をイメージさせることで、植民者を募りやすくするのが狙いだったという。 「サガ」では以下のように伝えている。 それというのも彼が言うには、その土地の名前の響きがよければ、人を強く引きつけるだろうということからであった。 この国によい名がつけられたら、人々はきっとそこに行きたがるだろうと考えたからである。 当時は「グリーンランド」という名前も、全くのウソだったわけではないようだ。

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グリーンランド|南極旅行・北極旅行のクルーズ・ツアー|(株)クルーズライフ

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北極旅行・北極クルーズグリーンランドの主なみどころ 赤毛のエイリークによって発見されたデンマーク自治領のグリーンランドは、北極海に位置する世界最大の島です。 巨大なフィヨルドが多く、氷の厚さは3,000m以上に達するところもあり、居住区は沿岸部に限られています。 東グリーンランドは、雄大な山々と氷河が有名です。 9月以降には、オーロラが見られるチャンスがあります。 グリーンランドは世界最大の島で、その殆どは、北極圏に位置し、氷床と万年雪におおわれています。 ジャコウウシなどの野生生物が棲息し、カラーリットと呼ばれる先住民族が極北の文化を継承し暮らしています。 この北極クルーズでは、フィヨルドや氷河など壮大なスケールの大自然をお楽しみいただける北極旅行です。 一度の航海ですべてを訪れるわけではありません。 気象、海象、氷など厳しい自然環境の下で航路や上陸する場所が変更になる場合があります。 予めご了承ください。 西グリーンランド 北極旅行・北極クルーズ• クロルスアク この歴史的な町では伝統的な生活を絶やすことなく、その生活の手段を狩猟と漁業に頼っています。 クロルスアクも含むウペルナビク諸島にある居住区では、現代的な経済活動を行うコミュニティは数少なく、現地の多くの人々にとって捕鯨が今でも大切な生活手段となっています。 ウペルナビク ここではグリーンランドにおけるバイキングの歴史を深く知ることができます。 特にこのコミュニティの博物館には多くのバイキング文化の資料が所蔵されています。 イルリサット イルリサットのアイスフィヨルドは、ユネスコの世界遺産に登録されています。 特に「セルメク・クジャレク氷河」は世界で最も流れの速い氷河の一つとして知られており、一日に19mも移動しています。 また、南極をのぞいて、世界のどの氷河よりも大量の氷山が海へと流れ出ています。 シシミュート イヌイットの祖先、サカックやドーセット、チューレ文化人たちが居住した4,000年の歴史のあるグリーンランド第二の町です。 雄大なナサーサーク山を背景に、グリーンランドのコミュニティに特徴的な色とりどりの木造家屋が軒を連ねています。 雄大なアメルロク・フィヨルド近くの上陸地点から徒歩で訪れる予定です。 カンゲルルススアーク カンゲルルススアークは、グリーンランドの交通の要所です。 色彩豊かな家々が軒を連ねる「カンゲルルススアーク」にて乗船します。 ここではジャコウウシやカリブーなど北極の野生生物の観察も楽しむことができます。 草木の青々とした壮大な山の風景を背に北極クルーズに出航します。 南グリーンランド 北極旅行・北極クルーズ• エヴィグヘズフィヨルド 雄大な自然に囲まれ、聳え立つ崖や深い渓谷が印象的なフィヨルドです。 アザラシやクジラの生息地で、セイウチとイッカクの餌場にもなっています。 ヌーク 人口約15,000人のグリーンランドの首都です。 この居住地を作った宣教師、ハンス・エゲテに因んだ教会や像があります。 ファーウェル岬 グリーンランドの最南端、エッガー島に位置しています。 タセルミウト・フィヨルド 赤毛のエイリークが初めて入植した場所です。 フィヨルドでのカヤックやゾディアック・クルージングで美しい風景を堪能いただけます。 東グリーンランド 北極旅行・北極クルーズ• イトコルトルミット(スコアズビー・スンド) 約500人のイヌイットが暮らす東グリーンランド最北のコミュニティです。 伝統を守り狩猟と漁業で生活を支えています。 ここは、世界中で最もオーロラ現象が活発な地域です。 ハリー入江では高北極地域の野生の花々を観察いただけます。 ウーナルトーク・ケケルターク 気候変動と氷河の後退によって2005年に発見された小島です。 通称「温暖化の島」と呼ばれています。 スコアズビー・スンド・フィヨルド 世界最大にして最長、最も美しいフィヨルドと称賛されています。 北極探検家で捕鯨業者であったウィリアム・スコアズビーにちなんで名づけられました。 彼は東グリーンランドの東岸約640kmの測量を行い、空白の地図を完成させました。 デンマーク島 デンマーク島からのぞむフォーン・フィヨルドには美しい氷山が流れこんでいます。 ハイキングでは、壮大な2つのフィヨルド「スコアズビー・スンド・フィヨルド」と「フォーン・フィヨルド」を一望できる高台へご案内する予定です。 シド岬 この岬では古代チューレ文化の住居跡や氷山が見どころです。 古代チューレ人はクジラの骨も建築材として使用していました。 レミングやジャコウウシなど野生生物の出現にもご期待ください。 ローデフィヨルド グリーンランドの西部に広がる赤鉄鉱を多く含んだ砂岩地です。 長い年月をかけて雪に削り取られたむき出しの真赤な大地は、見る者に強烈な印象を残します。 ホフマン・ハルホ岬 この岬では、ジャコウウシを間近に観察できるチャンスがあります。 岩場にはハシグロヒタキやユキホオジロ、ライチョウ、海辺にはハシグロアビなどの鳥類を見ることが出来ます。 ホルム湾(エラ島) ホルム湾は、スコアズビー・スンド・ランドの北部へ向かって伸びるキング・オスカー・フィヨルドの沿岸にあります。 壮大なフィヨルドに囲まれた地形を一望することができます。 ここにはたくさんのジャコウウシが棲息しています。 この2つの場所は東グリーンランド国立公園(世界最大の国立公園)に属しています。 ブロムシュテル湾(イメール島) デンマーク語で「花の入江」と名づけられたブロムシュテル湾は草花に彩られていて、北極ではとても美しい場所です。 ここではノア湖へのハイキングをお楽しみいただく予定です。

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