慢性 膵炎 完治。 慢性膵炎 | 広島記念病院

[mixi]慢性膵炎は治る?

慢性 膵炎 完治

長期にわたり、背中の左側やみぞおちに鈍く重みのある痛みの症状が現れる「」。 原因のほとんどはアルコールによるものであり、治療でも薬剤や内視鏡を用いた対症療法のほか、禁酒・断酒などの生活指導が肝要になります。 発症すると膵がんにかかるリスクも健康な人の8倍~26倍にまで上昇してしまうという慢性膵炎の原因と治療、危険な飲酒量について、東京医科大学消化器内科教授の糸井隆夫先生にお伺いしました。 慢性膵炎とはーアルコールによるものが原因の大半を占める とは、膵臓に持続性の炎症が起こり、破壊された細胞が線維化して硬くなってしまうことで、膵臓本来の機能が失われてしまう慢性疾患です。 慢性膵炎の原因のほとんどは、アルコールによるものです。 膵炎のリスクが高まる飲酒量 1日純エタノール80g(日本酒4合弱、ビールなら4本)を10年以上 日本人と外国人では消化酵素の分泌量にも差があるため、同じ量のお酒を飲んだ場合、おそらく日本人のほうがをはじめとする疾患のリスクが高まるものと考えられます。 この他の原因として、や原因不明(胆石が胆管から十二指腸に落ちてしまい、原因が特定できなくなったものも含む)など、と同様のものや、が治まり、慢性膵炎となるパターンもあります。 また、遺伝により起こる遺伝性膵炎の場合、幼少期から腹痛や下痢、嘔吐などの急性膵炎様発作を繰り返して慢性膵炎へと進行します。 この疾患の患者数は海外では多いものの、日本では100家系以下と報告されています。 (2011年の厚生労働省による全国調査では、82家系214症例) 慢性膵炎の原因と割合 全体:アルコール性56%、原因不明18%、その他(胆石、膵管癒合不全、脂質異常)7% 男性:アルコール性70% 女性:原因不明45%、アルコール性24% 遺伝性膵炎:常染色体優性遺伝、トリプシノゲン遺伝子、幼少期から再発性膵炎(このうち50%が慢性膵炎) 慢性膵炎の症状ー背中の左側やみぞおちの重い痛み その他にも下痢、軟便など、急性膵炎と異なる の典型症状は、みぞおちを中心とした腹部の刺すような痛みであると述べました。 一方のでは、比較的重く鈍い痛みが、背中の左側やみぞおちに現れます。 夕方になると、背部に痛みが現れるという患者さんも多くいらっしゃいます。 また、急性膵炎とは異なり、慢性膵炎では下痢や下痢に伴う体重の減少もみられます。 頻度は高くないものの、便が薄い黄色みを帯びて水に浮く脂肪便が認められる場合もあります。 これら軟便化の原因は、消化酵素を含む膵液を分泌する細胞(膵臓の外分泌細胞)が障害されるため、消化・吸収不良が起こるためです。 慢性膵炎に糖尿病を合併することも多い 膵臓は、消化酵素を含む膵液の分泌(外分泌)と共に、を正常に保つインスリン分泌(外分泌)も行っています。 そのため、により膵臓が線維化して正常な機能が損なわれると血糖値を調整できなくなり、結果としてを合併する症例が非常に多く見受けられます。 慢性膵炎と膵がんのリスク 健常人に比べ8倍から26倍膵がんになりやすい 文献によって数値は8倍~26倍と異なるものの、の患者さんは健常人に比べて明らかに膵がんを発症するリスクが高くなっています。 これは、慢性的な炎症が長期的に持続することによるものと考えられます。 さらに遺伝性では、健常人の50倍の確立で膵がんになりやすいともいわれています。 しかしながら、膵がんとは非常に難しいがんであり、なぜ浸潤がんになるのか、また、早期がんから進行がんに至るまでにどのような流れを辿るのか、現時点では解明されていません。 そのため、慢性膵炎と診断されている方が膵がんを予防するためにできる治療や検査も確立されていないという課題があります。 糖尿病の専門家との連携が膵がんの早期発見に繋がる可能性も ただし、にを合併している患者さんの場合、膵がんの発見に至る過程にはひとつの特徴があります。 それは、今までコントロールがうまくいっていたに突然ばらつきが生じ、CTによる画像検査をしてみたところ膵がんがみつかるというものです。 ですから、糖尿病を専門に診る科の先生にも、「血糖コントロールがうまくいかなくなったら膵臓の検査をしていただきたい」とお伝えしています。 膵臓はエコーでは鮮明に細部まで写らないため、造影CT検査を行っていただくのがよいでしょう。 このように、慢性膵炎の患者さんを診る際には他科との連携と互いの知識や情報の共有が必要です。 慢性膵炎の検査と診断ー石灰化と膵石症 腹部超音波検査またはCT検査 を疑う場合、、もしくはCT検査を必ず行います。 石灰化やなどの画像所見がみられれば、多くの場合確定診断がつけられます。 慢性膵炎(膵石)の腹部超音波像:写真提供 糸井隆夫先生 慢性膵炎(膵石)のCT像:写真提供 糸井隆夫先生 超音波内視鏡(EUS)検査 外来で行えるEUSは、患者さんの体に負担が少ない低侵襲な検査であり、膵臓の実質や膵石を調べることが可能です。 そのため、慢性膵炎の診断において、最も有用な内視鏡検査のひとつといえます。 現在、膵臓の線維化の程度を調べるEUSを用いた検査のひとつにエラストグラフィーというものがあり、今後はこのエラストグラフィーの活用が期待されています。 内視鏡逆行性膵胆管造影(ERCP)からMRCPへ 稀に、膵管狭窄やがあり、治療を行う目的でERCPを行うことがあります。 ただし、ERCPは侵襲が高く検査後にを合併(検査後)するといったリスクもあるため、現在は検査の時点ではERCPはほとんど行われていません。 これに代替するものとして、現在は膵管や胆管を同時に描出できるMRCP(MRI装置を用いた検査)が行われるようになっています。 膵臓の外分泌試験 また、全ての症例において行うわけではありませんが、膵臓から分泌される消化酵素量の減少をみるため、膵臓の外分泌試験を行うこともあります。 膵がんとの鑑別が必要な場合に限り、針生検(EUS-FNA)を行う 慢性膵炎の中には膵がんとの鑑別が難しいものもあります。 この場合には、超音波内視鏡(EUS)を用いた針生検(EUS-FNA)を実施し、膵臓の組織を採取します。 慢性膵炎の治療-治療は長期間を要する の経過は、重い腹痛が繰り返し続く「代償期」と、膵臓細胞が破壊されて機能が損なわれる「非代償期」に大きくわけられ、それぞれ治療法が異なります。 腹部の痛みが続く代償期は、薬物療法による対症療法 慢性膵炎により膵臓が線維化すると、膵管が狭窄し(細くなること)膵液がスムーズに流れず痛みが生じます。 これが代償期の症状のメカニズムです。 そのため、膵管を緩めるための薬剤を用い、膵液の流れを改善していきます。 また、炎症と痛みを抑えるため、非ステロイド性消炎鎮痛薬を投与します。 非代償期の治療は消化不良に対する対症療法 線維化により膵臓が正常に機能しなくなると、分泌される消化酵素量が減少し、消化吸収不良が起こります。 これが軟便化や下痢、それに伴う体重減少の原因となります。 ですから、非代償期には、下痢症状を抑えることを主目的とし、膵消化酵素剤により不足した酵素を補います。 このように、慢性膵炎の治療は基本的に薬物療法がメインとなります。 ESWLや内視鏡を用いて膵液の流れを改善させることもある 膵管の中に石があり、膵液の流れを阻んでいる場合には、この石を砕いて排石するためのアプローチを行います。 このとき使用する装置が、体外から石に向けて強力な衝撃波をあてる「体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)」です。 ESWLによる治療も保険が適用されます。 また、膵液の流れが悪く、黄疸が出ている場合には、細くなった膵管に内視鏡を使ってチューブを挿入し、流れを改善させる治療を行うこともあります。 慢性膵炎で外科的手術を行うことは極めて稀 東京医科大学では全体の約2%と極めて稀ですが、ESWLや内視鏡を用いた治療を複数回行わねばならず、患者さんにかかる負担が大きい場合には手術も考慮します。 手術では胆管や膵管にチューブを挿入し、小腸とつなぐことで膵液の流れを改善させます。 慢性膵炎は「うまく付き合っていく」病気 の治療は、上記の通り根治ではなく、症状を抑えて「患者さんが病気と上手に付き合っていく」ために行うものです。 既に膵臓の機能低下をきたしているため、とは違い、急激に悪化して死亡してしまうような疾患ではありません。 最も生活に支障をきたすものはインスリン分泌の悪化ですが、これもインスリン注射により補うことができます。 ただし、膵がんができてしまうと死亡率は非常に高いものとなりますので、定期的ながんのスクリーニング検査は必要になります。 慢性膵炎と診断されたらまずは「禁酒」と食事療法 日常生活で心掛けるべきこと の患者さんに対する「生活指導」は非常に大切です。 まずは、とにもかくにも「禁酒・断酒」をするようにしましょう。 食事の際には脂っこいものを控え、低脂肪食を心掛けることが大切です。 ただし、有症状の慢性膵炎の患者さんの場合、痛みへの恐怖や下痢症状から自ずと脂っこい食事はとらないようになる傾向があるため、医療者が厳しく指導することはあまりありません。 しかし、脂っこい食事以上に膵臓を働かせてしまう「飲酒」は、なかなかやめられないという患者さんが多々いらっしゃいます。 ですから、私は患者さんに慢性膵炎の治療にかかる医療費などをご説明し、時には「禁酒・断酒できないなら、今後きちんとした診療を続ける事は難しいですよ」と厳しく生活指導を行うこともあります。 実際に、こういった指導でお酒を我慢できるようになる患者さんも多くいらっしゃいます。 本記事をお読みになられている患者さんやご家族の方も、ぜひ「アルコール分解は、高脂肪食以上に膵臓を消耗させる」ものであると知っていただき、禁酒・断酒の努力をしていただきたいと、医師からのメッセージとしてお伝えします。 東京医科大学病院• 内科 血液内科 リウマチ科 外科 心療内科 神経内科 脳神経外科 呼吸器内科 呼吸器外科 消化器内科 消化器外科 腎臓内科 心臓血管外科 小児科 小児外科 整形外科 形成外科 皮膚科 泌尿器科 産婦人科 眼科 耳鼻咽喉科 リハビリテーション科 放射線科 矯正歯科 歯科口腔外科 麻酔科 乳腺外科 循環器内科 糖尿病 代謝 内分泌内科 高齢診療科 臨床検査医学科• 東京都新宿区西新宿6丁目7-1• 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」 2番出口またはE5出口 徒歩1分 JR山手線「新宿駅」 西口 その他JR複数線、小田急線小田原線、京王電鉄京王線、都営新宿線なども利用可能 徒歩10分• 03-3342-6111.

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慢性 膵炎 完治

膵臓は、胃・腸・肝臓などの臓器とともにおなか(腹腔内)に収まる臓器のひとつです。 膵臓は消化酵素やインスリンの分泌といった体の重要な働きを担っています。 この膵臓に持続的な炎症があらわれるとお腹(みぞおちや背中あたり)に痛みがあらわれることがあり、その後、病態が進行していくにつれて次第に膵臓の機能が損なわれていきます。 こうした疾患は「」とよばれています。 慢性膵炎は、早期の段階では自覚症状があらわれにくく、診断されるときにはすでに進行した病態であることも少なくありません。 慢性膵炎に気付くにはどういった症状に注目すべきでしょうか。 また診断や治療、生活習慣の改善指導はどのように行われるのでしょうか。 本記事ではに詳しい東北大学大学院医学系研究科・消化器病態学分野 教授 下瀬川徹先生に、慢性膵炎の概要についてお話を伺いました。 慢性膵炎とは 慢性に経過する、膵臓の炎症 とは、膵臓で発生する炎症性の慢性疾患です。 慢性膵炎を発症し、膵臓の炎症が持続すると、徐々に膵臓の機能が損なわれていきます。 膵臓は「外分泌腺」と「内分泌腺」から成り立っています。 それぞれ下記のような役割を担っています。 --- 外分泌腺……食物を消化する消化酵素(膵酵素)を十二指腸に分泌する 内分泌腺……血糖を調節するホルモン(インスリンなど)を血液中に分泌する --- 炎症によって外分泌腺と内分泌腺の破壊が繰り返されていくと、膵臓の細胞は「線維」へと置き換わっていきます。 これを「線維化」といいます。 線維化が進行すると、膵臓の実質(臓器の機能を担う細胞)が減少します。 こうして正常に機能する細胞が減少することで、外分泌腺や内分泌腺の機能が損なわれていきます。 慢性膵炎の症状 膵臓に慢性的な炎症がおき、内分泌腺と外分泌腺の機能が損なわれていくことから、ではさまざまな症状があらわれます。 実際に慢性膵炎ではどのような症状があらわれるのか、主な症状を解説していきましょう。 炎症による腹痛 慢性膵炎でよくみられる症状として挙げられるのは 上腹部痛(じょうふくぶつう:みぞおちの痛み)や背部痛(背中や腰の痛み)です。 膵臓は、胃・腸・肝臓などが収まる、空洞のようなところ(腹腔内)に位置しています。 そのなかでも膵臓は腹腔内の背中側にある臓器ですので、膵臓の炎症が起きるとみぞおちから背中側に痛みがあらわれます。 慢性膵炎の腹痛は大量の飲食をしたとき、脂っこいものを食べたときにあらわれることが多いです。 痛みだけでなく、不快感や膨満感といった症状としてもあらわれることもあります。 膵実質の線維化による症状 慢性膵炎では「膵実質の線維化」による症状があらわれます。 膵臓の線維化は、外分泌腺や内分泌腺の機能を低下させます。 外分泌腺が線維化すると、消化酵素の分泌が低下し、消化吸収不良が引き起こされます。 その結果栄養障害に陥り、 体重低下(痩せ)につながります。 一方、内分泌腺が線維化すると、ホルモン分泌が低下します。 膵臓にはランゲルハンス島というインスリンを分泌する内分泌細胞の小さな集まり(内分泌腺)があります。 膵実質が線維化することでランゲルハンス島などが破壊されてしまうと、を下げる働きをもつ「インスリン」などのホルモン分泌が不足します。 こうしてインスリン分泌が低下すると、血糖値のコントロールが不良となるため、 の発症につながります。 膵管内圧の上昇による症状 慢性膵炎では「膵管内圧の上昇」による症状もあらわれます。 膵管(すいかん)とは、水分や重炭酸塩とともに膵外分泌腺でつくられる消化酵素を十二指腸に運ぶ管です。 慢性膵炎では、膵内に持続的に炎症が起こることで、膵管の狭窄などが起こります。 すると膵液の流出障害が引き起こされ、膵管内圧が上昇します。 こうして膵管内圧が上昇することで、 腹部の痛みがあらわれます。 また、膵液の流出障害は「膵液分泌不全」を引き起こします。 膵液分泌不全は、消化酵素の分泌を滞らせますので 消化不良、 栄養障害につながります。 急性憎悪 慢性膵炎は炎症性の疾患であるため、「急性憎悪」が起きればと同様の症状・経過がみられます。 急性憎悪の場合には、 腹部の激しい痛み、 発熱、 吐き気などがあらわれます。 経過は症状の程度によってさまざまですが、重症化する場合には生死に影響を及ぼす可能性も出てくるため、早期に適切な治療を行う必要があります。 そのほか、進行した慢性膵炎では血液の成分(ヘモグロビン)が減少することによる 、消化吸収障害によって脂肪が消化されないことによる 脂肪便(しぼうべん:脂肪がたくさん含まれてやや白っぽい色になる便)などがみられます。 こうした症状は慢性膵炎だけにみられるものではありません。 また、慢性膵炎では自覚症状があらわれにくいことが多いです。 そのため、患者さんがこのような症状から慢性膵炎の発症に気付くことは難しいといえます。 慢性膵炎の成因による分類 アルコール性・非アルコール性 慢性膵炎は「アルコール性」と「非アルコール性」に大別される 現在の日本の定義では、は「アルコール性」と「非アルコール性」のふたつに大別されています。 ---• アルコール性慢性膵炎 ……アルコールの過剰摂取が成因と考えられるもの• --- このふたつは臨床経過が少し異なります。 これまでに行われたさまざまな研究の結果をみてみると、アルコール性慢性膵炎のほうが、症状が激しい傾向にあり、また進行も早いことが示されています。 非アルコール性膵炎にはさらに細かな分類がある 非アルコール性膵炎は、成因によってさらに細かな分類があります。 ---• 特発性• 遺伝性• 家族性 など --- 「自己免疫性膵炎」や「閉塞性膵炎」は、別の疾患と定義されている 慢性膵炎と同じように、膵臓に慢性的な炎症があらわれる疾患として、自己免疫機序が原因と考えられている「自己免疫性膵炎」や、膵管が狭窄・閉塞することで膵臓全体あるいは一部に炎症があらわれる「閉塞性膵炎」があります。 これらは、同じく膵臓に慢性の炎症があらわれる疾患ですが、現在日本では「慢性膵炎」とは定義されず、ほかの慢性炎症として別個に扱われています。 このように自己免疫性膵炎や、閉塞性膵炎が、慢性膵炎とは別の疾患として扱われている理由は「病態の可逆性」にあります。 自己免疫性膵炎や閉塞性膵炎は、治療により病態や病理所見が改善することがあり、そのほかの慢性膵炎とは異なり、可逆性のある疾患(治療により改善するもの)と考えられています。 たとえば自己免疫性膵炎はステロイドの投与によって劇的に改善がみられるという特徴があります。 こうしたことからこれらのふたつの慢性炎症は、慢性膵炎とは別のものとして扱われます。 ただし、欧米では慢性膵炎の定義が異なり、自己免疫性膵炎や閉塞性膵炎も「慢性膵炎」のひとつとして捉えられています。 近年では慢性膵炎の定義をさらに広くダイナミックに捉えていこうという世界的な流れになりつつあります。 今後どういった病態を「慢性膵炎」と定義していくべきかについて、引き続き活発な論議が進められていくと予想されます。 慢性膵炎の経過 4つの病期に分けて捉える 現在の日本では、上記の図のようにの経過を「潜在期」「代償期」「移行期」「非代償期」の4つに分けて考えています。 この4つの経過の捉え方は、慢性膵炎の症状と治療方針を考えていくうえで役立ちます。 潜在期には持続的な大量飲酒やなどが慢性膵炎発症の危険因子と考えられます。 代償期には膵臓の実質は保たれており、まだ厚い線維化はみられません。 そのため膵臓本来の機能は保たれている時期です。 一方で、実質が保たれているということは、まだ炎症が起きる部分が残されているということでもあります。 そのため代償期には、膵臓全体が腫れる、激しい腹痛を起こすといった「の急性増悪」がみられます。 こうした発作を繰り返すうちにだんだんと膵臓の細胞が壊され、線維化が進んでいきます。 移行期には徐々に膵臓の実質が減少し、膵臓の機能が損なわれていきます。 一方で、膵臓の実質部分は少なくなることから、膵臓の炎症も起こりにくくなります。 そのため腹痛発作の頻度は次第に減少していきます。 この時期には、膵石灰化などの膵臓の形態変化があらわれ始めるようになります。 非代償期には膵臓のさまざまな機能が損なわれ、外分泌腺、内分泌腺それぞれの機能に障害があらわれます。 たとえば外分泌腺の機能が損なわれることで消化吸収障害や体重減少、脂肪便などがあらわれます。 また内分泌腺の機能が損なわれることで膵性の発症などがあらわれます。 またこの時期には膵石灰化が顕著となり、膵管拡張や膵萎縮などの形態変化の進行もみられるようになります。 一方で、膵臓の実質は少なくなっており、炎症による腹痛発作は減っていきます。 このように、慢性膵炎の患者さんがどの段階にいるのかによって、損なわれる膵臓の機能や、あらわれる症状が異なります。 これによって慢性膵炎の治療方針も大きく変わります。 そのため慢性膵炎の治療では、病期を正確に診断することが大切です。 慢性膵炎の診断 まずは血液検査や超音波検査などで「慢性膵炎」の可能性を探る の診断については、2009年に改訂された慢性膵炎臨床診断基準に従って進めていくことが一般的です。 腹痛発作がある、食事をしたあとに腹部不快感がある、背中のあたりが痛む、吐き気がある、を発症している、といった症状がみられる場合には慢性膵炎の可能性を考えることが大切です。 検査では、まず血液生化学検査(血液検査)を行うことが一般的です。 血中におけるアミラーゼ、リパーゼ、トリプシノーゲン、エステラーゼといった膵酵素の値が異常(上昇や低下)を示すことが、慢性膵炎に気付くための手掛かりとなります。 血液検査によって、こうした膵酵素の異常を調べ、その変動が症状と密接に関係するかについて明らかにすることが重要です。 その他にも血中のヘモグロビン、総たんぱく、アルブミン、コレステロールの値などを調べることも、慢性膵炎を診断するうえで有用です。 また、体重の変化を確認することも必要です。 痩せてきていないか、BMI(Body Mass Index)はどのように変化しているかについても注目し、その変化から膵外分泌機能の障害による栄養状態を推測することも重要です。 さらに診断を行ううえで有用となるのは US です。 腹部に超音波を当てることで膵臓が腫れていないか、膵管が拡張していないか、膵石はみあたらないか、などを調べることができます。 そのため腹部超音波検査は慢性膵炎のスクリーニングに有効です。 正確な診断には「画像検査」が必要 こうした検査によって慢性膵炎の疑いが強まった場合、さらに正確な診断を行うためには画像検査が必要です。 画像診断では、CT検査、MRI検査 MRCP 、そしてさらに超音波内視鏡 EUS や内視鏡的逆行性胆管膵管造影 ERCP などを行います。 こうした検査によって、本当に慢性膵炎であるのか、あるいは類似疾患であるかを判断していきます。 慢性膵炎と類似の症状があらわれる疾患としては膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)やなどが挙げられます。 こうした検査を行うことで類似疾患との鑑別を行うことが大切です。 慢性膵炎を疑う臨床症状や所見がみられるがUSやCTで明らかな画像変化が見られない場合に、「早期慢性膵炎」の可能性を考えることになります。 慢性膵炎の治療 代償期と非代償期では、治療方針が異なる これまでの話のなかでは、にはアルコール性、特発性、遺伝性などさまざまな成因があることを解説しましたが、慢性膵炎の成因がどのようなものであっても基本的な治療方針は大きく変わりません。 一方で、経過(代償期か、非代償期か)によっては、治療方針が大きく変わります。 代償期の治療 代償期には膵臓の実質が保たれているため、炎症に対する治療が必要になることが多いです。 急性増悪に対してはと同様の治療を行います。 急性増悪がない間欠期の腹痛に対しては禁酒と脂肪摂取制限、生活指導を基本としたうえで、経口蛋白分解酵素阻害薬、膵消化酵素薬を中心とした薬物治療を行います。 また腹痛発作を起こさせないための予防的な治療が必要になるため、禁酒や脂肪摂取制限を行います。 一方、代償期には膵臓の実質が保たれているため「膵臓の機能を補う治療」は必要ありません。 非代償期 移行期~非代償期では実質が壊されていくことから、低下していく膵臓の機能を補うための治療が必要です。 このように膵臓の働きを支援する治療は「補充療法」とよばれます。 補充療法としては、消化酵素の不足には膵消化酵素薬、また内分泌機能の低下にはインスリン製剤の投与などが行われます。 一方、膵実質は減少するため、急性増悪のような激しい炎症は少なくなります。 また、非代償期には膵管の狭窄や、膵石がみられるようになります。 膵管の狭窄に対しては内視鏡による膵管ステント(細いチューブ)の膵管内への留置、膵石に対してはこのような内視鏡治療や体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を併用する場合があります。 またときには合併症に対する治療も必要です。 膵のう胞や胆道狭窄などの合併症がある場合にはのう胞ドレナージ(のう胞内に溜まった膵液を腸管に流す治療法)や胆道ドレナージ(胆汁を腸管内に流れやすくする治療法)などの内視鏡治療、場合によっては手術が必要になります。 膵臓の実質が保たれているかどうかで治療方針が大きく異なるため、代償期と非代償期では治療が異なります。 食事や生活習慣で注意すべきポイントとは? の治療では、早期の段階からの進行を抑えるために「生活指導を行う」ことが重要です。 これまでお話してきましたように、アルコールを飲まないこと(禁酒や断酒)が重要です。 タバコ()も慢性膵炎の発症と進行促進のリスク因子であることがわかっています。 ですから禁酒とをしっかりと行うことが大切です。 また、食事内容や食習慣への配慮も大切です。 脂っこい食べ物は控え、栄養バランスを考えた食事を、規則正しく、きちんとよく噛んで食べることを意識しましょう。 また日常生活における飲酒、暴飲暴食、脂肪の取りすぎは腹痛発作の誘因となります。 発作を繰り返すと膵実質の破壊と膵線維化を進行させますので、こうした食生活を送らないよう注意が必要です。 また生活習慣については、昼夜が逆転しない規則正しい生活リズムをつくることも大切です。 引き続き記事2では下瀬川先生に、慢性膵炎という疾患概念の捉え方と早期発見の重要性について、近年の動向を交えながら解説いただきます。

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慢性膵炎、進行を防げるか 「早く見つけ治療」で回復期待(1/3ページ)

慢性 膵炎 完治

慢性膵炎は必ず治る。。。 そう信じてやまない管理人がお届けする 『膵炎完治計画』 皆様、明るい未来を信じて情報交換しませんか? 慢性膵炎は治るの? このサイトでは慢性膵炎・急性膵炎の完治や完治に近い状態を目指しています。 完治に近い状態というのは、食べ放題・飲み放題は無理だとしても、 ・痛みや不快感から解放される ・数日置きの点滴をせずに生活できる ・ある程度普通の食事ができる ・できれば薬も飲まずに生活できる という状態を目指しています。 一般的に慢性膵炎は治らない? 急性膵炎であれば完治するといわれています。 が、再発を繰り返すと慢性化するといわれています。 慢性膵炎は一般的には完治することはなく、一生付き合う病気とされています。 毎日の薬や数日おきの点滴で背中やお腹の痛みの緩和に努めたり、厳しい食事制限が必要です。 予後も悪い病気とされ、書籍やネットで検索すると絶望的な情報が多く記載されており、良くなるどころか、治る見込みのない悪くなる一方という情報が大変多いです。 そんな情報ばかりでは身も心も追い込まれてしまいますよね。 慢性膵炎でも完治に近い状態になれる? このサイトの内容は管理人が実際に体験していることであり、一般的ではないかもしれません。 このサイト自体やこのサイトの情報により損害が発生した場合でも管理人は一切責任を負いません。 あくまでもこのサイトは意見のひとつとしてご覧ください。 このサイトでの"完治"や"治る"という表現は「完治に近い状態」という意味の場合もあります。 また、このサイトは完治や完治に近い状態を皆様に保障するものではありません。 慢性膵炎はある意味では一生付き合う病気ですが、きちんとした治療・ある一定期間の食事療法を行えば完治に近い状態になるという医師も存在します。 慢性膵炎が完治に近い状態になり、普通の生活を送られている方々は確かに存在します。 「普通の生活」のレベルですが、さすがに食べ放題、飲み放題ではありません。 それでも、ビールも飲めるし、とんかつだってラーメンだって食べられます。 痛みや不快感がなくなったり、数日置きの点滴がなくなったり、通院が半年おきや1年おきになったり、毎日の薬からも開放される方もいらっしゃいます。 ただ、食べ放題・飲み放題のお店などで好きなだけ食べることはできないでしょうし、無茶はしない、体調に常に気をつける、体調が悪ければ節制するという点で完全に健康な人との違いがあると思います。 ですが、毎日の点滴や注射などから開放され「ある程度の普通の生活」は送れるわけですから、慢性膵炎は完治に近い状態にまでなら回復する病気ではないかと私は思います。 それにはやはり、きちんとした治療と食事療法が必要なのではないでしょうか。 内臓の病気は怪我のように治りがみてわかるわけでもなく、完全に休ませるようなこともできませんので、完治や完治に近い状態にまでもっていくにはかなり根気がいります。 私自身、膵炎にかかり、治療を受けていますが、発症後の数年間は様子をみながら、それなりに厳しい食事制限を続けるつもりです。 それを乗り越えた後、ようやく完治もしくは完治に近い状態になれると思っています。 サイトの目的 慢性膵炎と診断されると、先がみえなくなり、いろいろなことを諦めて生活していく方が多いように思います。 膵炎というマイナーで孤独な病気にかかり、辛い毎日を送る方々に、私は希望をもってほしいという思いでこのHPを立ち上げました。 一人で考え込まずに明るい膵炎ライフを送ってほしい、この病気にかかったことを少しでも前向きに考えられるようになってほしい、色々な情報があることを知ってほしい、また、情報を交換することで膵炎ライフのお役に立ててほしい、という思いがこめられたHPなのです。 慢性膵炎でも急性膵炎でもとにかく、普通の生活ができるようになる、というお医者が一人でもいるのであれば、絶望的な情報を信じるよりも完治という目標に向かって一緒に頑張ってみませんか? 食事の具体的なレシピやおばあちゃんの知恵袋的な民間療法、もしくは良いお医者さんの所在等について、みなさんとご意見をかわしていけたらな〜と思っております。

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